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長岡京市の内科・呼吸器外科クリニック

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糖尿病

糖尿病

糖尿病(Diabetes Mellitus)は、血液中の「血糖値」が慢性的に高くなる病気です。
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことです。体のエネルギー源である「ブドウ糖(グルコース)」が、通常の濃度よりも多く血液内のある状態を指します。
通常、すい臓から分泌されるホルモン「インスリン」が血糖を細胞内に取り込み、血糖値を下げて適正に保ちます。しかし糖尿病では、以下の要因で血糖を下げてコントロールできない状態にあります。

・インスリンの分泌が不足する
・インスリンがうまく作用しない(インスリン抵抗性)

糖尿病の種類

糖尿病にはいくつかのタイプがあります。代表的なものは以下のとおりです:

1. 1型糖尿病

自己免疫反応などにより、すい臓のインスリンを作る細胞(β細胞)が破壊され、インスリンをほとんど分泌できなくなるタイプです。若年で発症することが多く、インスリン注射が必須になります。

2. 2型糖尿病

日本人に最も多いタイプで、生活習慣(食事・運動不足・肥満など)と遺伝的体質が関係しています。
初期は自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行することがあります。

3. その他の糖尿病

薬剤(ステロイドなど)やホルモン異常、膵疾患などが原因で起こるもの。

4. 妊娠糖尿病

妊娠中に初めて血糖値の異常が見つかる状態です。出産後に正常化することもありますが、将来的に2型糖尿病のリスクが高くなることが知られています。

糖尿病の症状

初期段階ではほとんど症状がないこともあります。進行すると以下のような症状がみられることがあります:

・のどの渇き・多飲
・尿の回数が多くなる(多尿)
・疲れやすい、体重が減る
・手足のしびれ
・皮膚のかゆみ、感染症にかかりやすい

これらは血糖が高い状態が長く続くことで起こるサインです。

糖尿病の合併症

糖尿病を放置すると、血管や神経がダメージを受け、全身にさまざまな合併症を引き起こします。

三大合併症

糖尿病網膜症:目の血管が傷み、失明の原因になることがあります。
糖尿病腎症:腎臓の機能が低下し、透析が必要になる場合も。
糖尿病神経障害:手足のしびれや痛み、感覚鈍麻など。

大血管合併症

心筋梗塞・狭心症(冠動脈疾患)
脳梗塞・脳出血(脳血管障害)
閉塞性動脈硬化症(足の血管障害)

糖尿病は「血管の病気」とも言われるほど、全身に影響を及ぼします。

糖尿病の診断

診断には、以下のような検査が行われます。

検査項目基準値の目安意義
空腹時血糖値126 mg/dL 以上血糖の基礎値を評価
75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT) 2時間値200 mg/dL 以上食後の血糖上昇を評価
HbA1c(ヘモグロビンA1c)6.5% 以上過去1〜2か月の平均血糖を反映

また、尿糖・尿タンパク・腎機能・脂質・肝機能・眼底検査なども総合的に評価します。

治療の目的

糖尿病の治療目標は、血糖値を適正に保ち、合併症を防ぐことです。
一時的に血糖を下げるだけでなく、「長期的に安定させる」ことが重要です。

治療方針

糖尿病の治療は、以下の3本柱で行います。

1. 食事療法

糖尿病治療の基本です。
エネルギー摂取量や栄養バランスを整え、血糖の急上昇を防ぎます。

・適正エネルギー摂取(体格・活動量に応じて)
・炭水化物、脂質、タンパク質のバランス調整
・食物繊維を多く摂る(野菜・海藻・豆類など)
・規則正しい食事リズム(朝・昼・夕の3食)
・間食・甘い飲み物を控える

2. 運動療法

継続的な運動は、インスリンの働きを改善し、血糖コントロールを助けます。

・有酸素運動:ウォーキング・ジョギング・サイクリングなどを週150分程度
・筋力トレーニング:筋肉量を増やし、代謝を高める
・無理のない範囲で継続することが大切

※心臓病・網膜症・腎症などの合併症がある場合は、注意が必要になります。それぞれ直接当院までご相談ください。

3. 薬物療法

生活習慣改善で十分な効果が得られない場合や、初期から血糖が高い場合は薬物療法を行います。
主な薬剤には以下の種類があります:

経口血糖降下薬
・ビグアナイド系(メトホルミンなど)
・DPP-4阻害薬
・SGLT2阻害薬
・SU薬(スルホニル尿素薬)
・GLP-1受容体作動薬(注射・内服)

インスリン療法
すい臓の働きを補う最も直接的な治療

患者さんの状態(血糖値、体重、腎機能、合併症など)に合わせて、最適な治療を選択します。

フォローアップ・定期管理

糖尿病は「一度治ったら終わり」ではなく、継続的な管理が必要な慢性疾患です。
当クリニックでは次のような流れでサポートしています。

①定期的な血糖・HbA1c測定
②合併症チェック(眼底、腎機能、神経など)
③食事・運動習慣の確認と指導
④必要に応じて薬の調整
⑤他科(眼科、腎臓内科、循環器内科など)との連携

患者さんのライフスタイルに寄り添い、無理のない治療を一緒に考えていきます。

当クリニックでの取り組み

・糖尿病の早期発見・早期治療に注力しています。
・管理栄養士・看護師と連携し、生活習慣のサポートを行います。
・血糖コントロールだけでなく、「合併症予防」「全身の健康維持」を重視しています。
・必要に応じて、専門医療機関との連携もスムーズに行っています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 糖尿病は完治しますか?
A. 現時点で「完治」は難しい病気ですが、血糖を良好にコントロールすれば合併症を防ぎ、健康的な生活を送ることが可能です。

Q2. 糖尿病と診断されたら、すぐに薬を飲む必要がありますか?
A. 血糖値の状態によります。初期の方は生活習慣の見直しだけで改善することもあります。

Q3. 甘いものは一切禁止ですか?
A. 「絶対に禁止」ではなく、量や頻度を工夫すれば楽しむことも可能です。気になる方はご相談ください。

Q4. 家族に糖尿病の人がいます。自分も気をつけるべきですか?
A. はい。家族歴はリスク因子のひとつです。定期的な血糖チェックと生活習慣の改善が大切です。

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