睡眠時無呼吸症候群
薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)
平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の専門医ではありませんが、かかりつけ医として、いびきや日中の眠気などの症状から問診・簡易検査を行い、SASの可能性を評価します。生活習慣の指導やCPAP導入後のフォローも継続的にサポートし、精密検査や専門的な治療が必要と判断した場合は、連携する専門医療機関へおつなぎしています。
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睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が何度も止まる、あるいは浅くなる病気です。大きないびきや日中の強い眠気などをきっかけに見つかることが多いのですが、放置すると高血圧・心疾患・脳卒中・糖尿病などの重大な合併症を招くことがあります。
長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけの内科として問診や簡易検査からSASの可能性を評価し、CPAP治療の導入・フォローまで継続的にサポートしています。「いびきを指摘された」「日中どうしても眠い」という段階でも、まずはお気軽にご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に呼吸が何度も止まる、あるいは浅くなる病気です。呼吸が止まるたびに脳や体が酸素不足に陥り、眠りが浅くなります。その結果、日中の強い眠気・集中力の低下・頭痛などを引き起こし、放置すると高血圧・心疾患・脳卒中・糖尿病などの重大な合併症を招くことがあります。
主な種類
| 種類 | 特徴 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 閉塞型 | 上気道(のど)がふさがって呼吸が止まる。最も多いタイプ。 | 肥満・顎の形・扁桃肥大など |
| 中枢型 | 呼吸を指令する脳の働きが一時的に低下して起こる。 | 心不全・脳疾患など |
| 混合型 | 上記2つの要素が混ざっているタイプ。 | まれ |
睡眠時無呼吸症候群は何科を受診すればよい?
いびきや日中の眠気が気になっても、何科を受診すればよいか迷う方が多いのではないでしょうか。まずは内科(かかりつけ医)にご相談ください。問診と自宅でできる簡易検査で、SASの可能性を評価します。精密検査や専門的な治療(マウスピース作製のための歯科、扁桃肥大の手術のための耳鼻咽喉科など)が必要な場合は、連携する専門医療機関をご案内します。
主な症状
- 大きないびき
- 睡眠中の呼吸停止(家族に指摘されることが多い)
- 日中の強い眠気・倦怠感
- 起床時の頭痛・口の渇き
- 集中力や記憶力の低下
- 夜間頻尿
眠っているのに疲れが取れない、朝スッキリ起きられないなども典型的なサインです。
セルフチェック
次のような項目に複数当てはまる方は、SASのリスクが高い可能性があります。
- 家族から、いびきや呼吸の止まりを指摘されたことがある
- 朝起きたときに頭痛や口の渇きを感じることが多い
- 十分な時間眠っているはずなのに、日中強い眠気を感じる
- 会議中や運転中など、座っているだけでうとうとしてしまうことがある
- 肥満気味である、または首まわりに脂肪がつきやすい
- 高血圧・糖尿病の治療中である
当てはまる項目が多い方は、次の健診を待たずに一度ご相談ください。
診断
SASの診断には、睡眠中の呼吸状態を測定する検査が必要です。
| 検査名 | 内容 |
|---|---|
| 簡易検査(アプノモニター) | ご自宅で装置を装着し、酸素濃度・呼吸の状態・いびきを測定します。 |
| 精密検査(ポリソムノグラフィー:PSG) | 医療機関で、脳波・筋電図・心電図・呼吸状態などを総合的に測定する、入院を伴う精密な検査です。 |
検査では、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を示すAHI(Apnea-Hypopnea Index:無呼吸低呼吸指数)という指標を用います。AHIが5以上で、日中の眠気などの症状を伴う場合にSASと診断され、数値の大きさによって重症度が判定されます。
| 重症度 | AHI(1時間あたりの無呼吸・低呼吸回数) |
|---|---|
| 軽症 | 5〜15回未満 |
| 中等症 | 15〜30回未満 |
| 重症 | 30回以上 |
治療
SASの治療は、原因や重症度に応じて行います。
1. 生活習慣の改善
- 減量(体重を5〜10%減らすだけでも効果があるとされています)
- アルコールや睡眠薬を控える(筋肉が緩んで気道がふさがりやすくなるため)
- 横向きで寝る習慣をつける
2. CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)
中等症以上の閉塞型SASに対して行う、最も一般的な治療です。睡眠中に鼻マスクを通して空気を送り、気道を常に開いた状態に保ちます。

CPAPを使用することで、以下の効果が期待できます。
- 無呼吸が改善し、いびきが減る
- 日中の眠気が軽減する
- 高血圧・心疾患などのリスクが低下する
保険診療でCPAP治療を導入する目安は、精密検査(PSG)でAHIが15以上、簡易検査でAHIが30以上(日中の眠気などの自覚症状を伴う場合)とされています。2026年6月の診療報酬改定で、従来より基準が緩和されました。詳しい適用条件は診察の際にご説明します。
使い始めは、鼻づまりや口・鼻の乾燥感、マスクによる肌のかぶれなどが起こることがあります。多くは加湿器の使用やマスクの調整で改善しますので、気になる症状があっても自己判断で中止せず、必ずご相談ください。CPAPは根治治療ではなく、使用を続けている間だけ効果が持続する治療のため、毎晩継続して使用することが大切です。使用状況は通院のたびに確認し、マスクのフィッティングや治療効果をみながら治療を続けます。
3. マウスピース(口腔内装置)
軽症の方やCPAPが合わない方に適用されます。下あごを少し前に出した状態で固定し、気道を広げます。
4. 手術療法
扁桃肥大や鼻の構造異常が原因の場合、耳鼻咽喉科で外科的治療を行うこともあります。
日常生活の注意点
減量・節酒など生活習慣の見直しについては、前述の「治療」内の生活習慣の改善をご参照ください。ここでは、それ以外に日常生活で気をつけたいポイントをご紹介します。
- 禁煙を心がける(喫煙は気道の炎症を招き、いびき・無呼吸を悪化させます)
- 睡眠のリズムを整える(十分な睡眠時間と規則的な生活)
日中の強い眠気を放置すると、運転中の居眠りによる交通事故のリスクが高まります。特に日常的に車を運転される方、危険を伴う作業に従事されている方は、いびきや眠気に心当たりがあれば早めの受診・検査をおすすめします。
SASは何歳から気をつける?
SASは中高年の男性に多いとされていますが、女性も閉経後にホルモンバランスの変化でリスクが上昇します。また、子どもでも扁桃腺の肥大などが原因でSASを起こすことがあり、年齢や性別を問わず注意が必要な病気です。いびきや呼吸停止を指摘されたら、年齢にかかわらず早めのご相談をおすすめします。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、いびきや呼吸停止をきっかけに見つかることが多く、放置すると高血圧・心疾患・脳卒中などの重大な合併症を招く病気です。しかし、CPAP療法をはじめとする治療により、症状の改善とリスクの低下が期待できます。
いびきや日中の眠気が気になる方、家族に呼吸の止まりを指摘された方は、早めにご相談ください。
当院での対応
薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけ医として問診と自宅で行える簡易検査からSASの可能性を評価し、結果に基づいた治療(CPAP療法の導入・フォロー)や生活習慣・体重管理のサポートを行っています。精密検査や専門的な治療が必要と判断した場合は、連携する専門医療機関へ速やかにご紹介しています。睡眠中のいびき・呼吸停止を指摘された方、日中の眠気に悩んでいる方は、早めにご相談ください。
よくある質問(FAQ)
いびきがあると必ずSASですか?
CPAPを使うと治りますか?
検査は入院が必要ですか?
女性でもSASになりますか?
市販のいびき防止グッズは効果がありますか?
※本記事は、上記資料を参考に医師が内容を精査し作成しています。CPAP療法の保険適用基準は2026年6月の診療報酬改定に基づく目安であり、詳しい適用条件は診察でご確認ください。
月〜土診療 / 京都府長岡京市今里西ノ口7-1









