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糖尿病

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この記事の監修医

薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)

平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長

糖尿病の専門医ではありませんが、救急科医長として、糖尿病が引き金となる心筋梗塞・脳卒中・重症感染症など緊急度の高い病態に数多く対応してきました。かかりつけ医として血液検査(血糖値・HbA1c)から全身状態を確認し、食事・運動療法の指導から内服治療まで継続的にサポートします。血糖コントロールが難しい場合やインスリン導入が必要な場合など、より専門的な治療が必要と判断した場合は、連携する糖尿病内科・内分泌内科へおつなぎしています。

最終更新日:

「健診で血糖値やHbA1cが高いと言われたけれど、特に症状はない」――糖尿病はこうした形で見つかることがほとんどです。自覚症状がないまま進行し、気づいたときには失明や腎不全(透析)、心筋梗塞・脳卒中といった重大な合併症につながっていることがあります。

長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけの内科として血液検査から全身状態を確認し、食事・運動指導から薬物治療まで継続的にサポートしています。インスリン導入など専門的な治療が必要な場合は、連携する糖尿病内科へご案内しますので、「何科を受診すればいいか分からない」という段階でもお気軽にご相談ください。

糖尿病は何がまずい?初期に気づきにくい理由

初期はほとんど症状がない

糖尿病の初期には自覚症状がほぼありません。この「症状が出にくい」ことが、糖尿病の最も厄介な特徴です。健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘されても、体調に変化がないために「まだ大丈夫」と受診を先延ばしにしてしまう方が少なくありません。

血糖値が高いまま放置すると出てくる症状

  • 喉が渇く
  • 尿の回数が増える
  • 体重が減少する
  • 疲れやすい
  • 手足のしびれ

これらの症状が出てくる頃には、すでに血糖値がかなり高い状態が続いていることが多く、放置すると次のような深刻な合併症につながるおそれがあります。

放置すると起こり得る深刻な状態
  • 糖尿病網膜症 → 失明
  • 糖尿病性腎症 → 腎不全・透析
  • 神経障害 → 足のしびれ・壊疽(血流が途絶えて組織が黒く壊死すること)
  • 心筋梗塞・脳梗塞

糖尿病はどうやって診断するのか

糖尿病は、症状だけで診断される病気ではありません。血液検査での「血糖値」と「HbA1c」の数値を組み合わせて判定します。

検査項目糖尿病型と判定される数値
空腹時血糖値126mg/dL以上
75gブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間値200mg/dL以上
随時血糖値200mg/dL以上
HbA1c6.5%以上

出典:日本糖尿病学会「糖尿病診断基準」

確定診断までの流れ

上記の血糖値のいずれかと、HbA1c(過去1〜2か月の血糖の平均を示す指標)6.5%以上が同時に確認された場合は、その場で糖尿病と診断できます。血糖値だけが高い場合、あるいはHbA1cだけが高い場合は「糖尿病型」となり、あらためて別の日に再検査を行って確定させます。

糖尿病は何科を受診すればよい?

健診や自宅測定で数値の異常を指摘された場合は、まず内科(かかりつけ医)を受診してください。問診・採血・尿検査で全身状態を確認し、食事・運動療法から始めるべきか、薬物療法が必要かを判断します。インスリン導入が必要な場合や血糖コントロールが難しい場合は、連携する糖尿病内科・内分泌内科をご案内します。

健診で指摘された数値についてのご相談もお任せください WEB予約はこちら 📞 電話で予約

どんな人が糖尿病になりやすいのか

1型糖尿病と2型糖尿病の違い

糖尿病には主に「1型」と「2型」の2つのタイプがあります。

  • 1型糖尿病:膵臓のインスリンをつくる細胞が壊れてしまうことで起こります。体質や生活習慣とは関係なく、子どもや若い方にも起こり、インスリンによる治療が中心になります。
  • 2型糖尿病:日本人の糖尿病の9割以上を占めるタイプで、生活習慣や体質が長年積み重なって発症します。

以下でご説明する原因やセルフチェックは、主に2型糖尿病を対象としています。

主な原因

2型糖尿病の発症には、以下のような要因が複合的に関与すると考えられています。

  • 内臓脂肪型肥満:お腹まわりに脂肪がたまることでインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」(インスリンが効きにくくなり、血糖値が下がりにくくなる状態)が起こり、血糖値が上がりやすくなります。
  • 食べすぎ(高エネルギー・高脂肪食):過剰なエネルギー摂取が続くと、血糖コントロールに負担がかかります。
  • 運動不足:筋肉量が少ないと糖をうまく利用できず、血糖値が上昇しやすくなります。
  • ストレス・睡眠不足:ホルモンバランスの乱れにより、血糖値が不安定になることがあります。
  • 遺伝体質:家族に糖尿病の方がいる場合、発症リスクが高まるとされています(詳しくは後述)。
  • 加齢によるインスリン分泌の低下:年齢とともにインスリンの分泌量や働きが低下する傾向があります。

糖尿病のセルフチェック

次のような特徴に心当たりがある場合、糖尿病のリスクが高い可能性があります。

  • お腹まわりが大きく、内臓脂肪が気になる
  • 血縁者(親・兄弟姉妹)に糖尿病の方がいる
  • 40歳以降に体重が増えてきた
  • 甘い飲み物や間食を日常的に摂っている
  • 慢性的に運動不足で、体を動かす機会が少ない

これらに当てはまる場合でも、早い段階で生活習慣を見直すことで発症や進行を抑えられる可能性があります。健康診断で血糖値の異常を指摘された方は、早めのご相談が大切です。

糖尿病は遺伝する?

糖尿病には遺伝的に「なりやすい体質」が関係すると考えられています。特に2型糖尿病では、家族に糖尿病の方がいる場合、発症リスクが高くなることが知られています。また日本人は欧米と比べて糖尿病の患者数が人口比で1.5〜2倍となっており、民族的に糖尿病になりやすいと考えられています。

ただし、糖尿病は遺伝だけで決まる病気ではありません。同じ体質を持っていても、日々の食事内容や運動習慣、体重管理の状況によって、発症するかどうかは大きく左右されます。家族に糖尿病の方がいる場合でも、生活習慣を整えることで発症を予防したり、進行を抑えたりすることが可能です。

糖尿病の主な合併症

糖尿病治療の最終的な目的は、単に血糖値の数値を下げることではありません。血糖値を適切な範囲に保つことで合併症を予防し、健康寿命(QOL)を守ることが最も重要な目標とされています。

糖尿病の3大合併症

合併症内容
網膜症(目の障害)目の網膜の血流が悪くなり、初期〜中期には自覚症状はありませんが、末期で急激な視力低下、失明に至ることがあります。
腎症(腎臓の障害)腎臓の糸球体(血液をろ過するフィルターの役割をする部分)に過剰な負荷がかかり、尿蛋白を指摘されることから始まり、末期まで進行すると透析が必要になります。
末梢神経障害(神経の障害)手足の指先のしびれなどから始まり、進行すると感覚がなくなり怪我に気付かず悪化させたり、腸や排尿を調節する神経まで及ぶと便秘・下痢や排尿障害を起こします。末期では足先が黒く壊死することもあり、非常に危険です。

重篤な合併症

血糖値が高い状態が長期間続くと全身の血管に負担がかかり、以下のような重い合併症につながる可能性があります。

  • 心筋梗塞:動脈硬化(血管が硬く狭くなること)により、心臓に血液を流す冠動脈が閉塞して発症します。
  • 脳卒中:脳の血管障害により脳出血・脳梗塞を起こすと、頭痛、麻痺や失語、意識障害などが現れます。
  • 末期腎不全:老廃物の排出や電解質(Na、Kなど)・水分の調節ができなくなり、週3回の透析が必要になります。
  • 失明:糖尿病網膜症の進行で、末期では突然の視力低下、失明が起こり得ます。
  • 足の壊疽:血流障害で足先から壊死してしまうことがあります。放置すると敗血症(感染が全身に広がり命に関わる状態)で死亡する可能性があるため、壊死した部分の切断が必要になることもあります。

このように、糖尿病治療は全身の血管を守るための治療と考えることができます。血糖管理だけでなく、血圧や脂質管理、生活習慣の改善も含めた総合的な治療が重要です。

糖尿病の治療

糖尿病の治療は、血糖値を適切にコントロールしながら合併症を予防し、日常生活の質を維持することを目的に行われます。治療内容は、患者さんの状態や生活背景に応じて段階的に選択されます。

食事療法(最も大切な治療)

食事療法は糖尿病治療の基本であり、もっとも重要な治療です。無理な制限ではなく、継続できる食習慣を身につけることが大切です。

  • 適正カロリーにする:年齢・性別・活動量に応じた適切なエネルギー摂取を心がけます。
  • 主食・主菜・副菜のバランス:炭水化物・たんぱく質・野菜をバランスよく組み合わせます。
  • 甘い飲料を控える:清涼飲料水や加糖飲料は血糖値を急上昇させやすいため注意が必要です。
  • 脂質(揚げ物・外食)を減らす:脂質の摂りすぎは体重増加やインスリン抵抗性につながります。
  • 野菜から先に食べる:食物繊維を先に摂ることで、食後血糖値の急上昇を抑える効果が期待されます。

運動療法

運動は血糖値の改善だけでなく、体重管理や動脈硬化予防にも有効とされています。無理のない範囲で継続することが重要です。

  • 週150分の有酸素運動:ウォーキングや軽いジョギングなどを、1回30分程度から行います。
  • 週2〜3回の筋力トレーニング:筋肉量を維持・増加させることで、糖を利用しやすい体づくりにつながります。

薬物療法

食事療法や運動療法だけでは血糖コントロールが十分でない場合、患者さんの状態に応じて薬物療法が検討されます。

薬の種類一言でいうと
メトホルミン肝臓での糖の産生を抑え、インスリンの効きを改善する薬
SGLT2阻害薬尿中に糖を排出することで血糖値を下げる薬
DPP-4阻害薬食後の血糖値上昇を抑える薬
GLP-1受容体作動薬血糖値の改善に加え、食欲抑制効果も期待される薬
インスリン療法インスリン分泌が不足している場合に用いる注射薬

薬の選択や使用方法は、年齢・合併症・生活スタイルなどを考慮し、医師が総合的に判断します。自己判断での中断や変更は避けましょう。

【注意】薬による低血糖について

SU剤やインスリンなど一部の薬は、効きすぎると血糖値が下がりすぎる「低血糖」を起こすことがあります。冷や汗、手の震え、動悸、強い空腹感などが初期のサインです。低血糖を感じたときはブドウ糖や砂糖を含むものをすぐに摂り、症状が改善しない場合は医療機関に連絡してください。

特に高齢の方は、血糖値を下げすぎることでかえって転倒や体調不良のリスクが高まるため、年齢や体調に応じて治療の目標値を調整します。「数値を下げれば下げるほど良い」わけではない点にご注意ください。

糖尿病の対策・予防

「主な原因」でご紹介した内臓脂肪や運動不足などは、裏を返せば、生活習慣を整えることで対策できるということでもあります。ここでは、今日から取り組める具体的な行動をご紹介します。特に血糖値が「少し高め」と指摘された段階で始めることが、将来の合併症予防につながります。

  • 体重を適正に保つ(特にお腹まわり)
  • 糖質・脂質・カロリーを摂りすぎない
  • 軽い運動でも週3回以上続ける
  • 十分な睡眠をとる
  • 血糖値・HbA1cを定期的にチェックする

糖尿病の予防で最も重要なのは、血糖値が「高め」の段階で生活習慣を整えることです。症状がなくても、健康診断で指摘を受けた場合は、早めに医療機関で相談することをおすすめします。

糖尿病は何歳から注意が必要?

2型糖尿病は40歳以降で頻度が高まるとされますが、内臓脂肪型肥満や運動不足、甘い飲料の習慣的な摂取が重なると、20〜30代でも発症することがあります。家族に糖尿病の方が多い場合は遺伝的な要因が関わっている可能性があるため、若いうちから健康診断で血糖値・HbA1cをチェックしておくことが大切です。なお1型糖尿病は年齢に関係なく、子どもや若い方にも起こります。

まとめ

糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうことがある生活習慣病です。しかし、決して放置するしかない病気ではありません。食事・運動・睡眠などの生活習慣を整え、必要に応じて適切な治療を行うことで、失明や末期腎不全(透析)、心筋梗塞、脳梗塞といった重大な合併症を予防し、健康な生活を長く維持することが可能です。

特に、血糖値が「少し高め」と言われた段階や、健康診断でHbA1cの上昇を指摘された段階で対応を始めることが、将来のリスクを減らすうえで非常に重要です。

当院での対応

薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけ医として血液検査(血糖値・HbA1c)から全身状態を確認し、食事・運動指導から内服治療まで、一人ひとりの生活スタイルに合わせた糖尿病診療を行っています。血糖コントロールが難しい場合やインスリン導入が必要と判断した場合は、連携する糖尿病内科・内分泌内科へ速やかにご紹介しています。健康診断の結果で気になる数値があった方、症状はないけれど不安な方も、まずは当院にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

血糖値が少し高いだけでも受診した方がよいですか?
はい。血糖値が「少し高め」の段階は、生活習慣を整えることで糖尿病の発症や進行を防ぎやすい時期です。症状がなくても、早めに相談することで将来の合併症リスクを下げることができます。
健診でHbA1cが高いと言われましたが、すぐ治療が必要ですか?
HbA1cの数値や他の検査結果、生活状況によって対応は異なります。すぐに薬が必要になるとは限らず、まずは食事や運動などの生活習慣改善から始める場合も多くあります。
そもそもHbA1cって何?
過去1〜2か月の平均血糖を示す指標で、6.5%以上で糖尿病の可能性が高いとされます。血糖値は食事の影響でその場で変動しますが、HbA1cは過去1〜2か月の平均を反映するため、一時的な食後高血糖だけでは上昇しません。治療を開始すると、この数値が最も大切な基準になります。
糖尿病は一生付き合わなければならない病気ですか?
糖尿病は長期的な管理が必要な病気ですが、適切な治療と生活習慣の改善により、安定した状態を保ち、普段通りの生活を送ることが可能です。
症状がないのに治療を続ける意味はありますか?
あります。糖尿病の合併症は、症状がないまま静かに進行することが多いため、症状がなくても血糖値を管理することが非常に重要です。
糖尿病は何科を受診すればよいですか?
まずは内科(かかりつけ医)を受診してください。多くの場合、食事・運動指導や内服治療はかかりつけ医で対応できます。インスリン導入が必要な場合や血糖コントロールが難しい場合は、糖尿病内科・内分泌内科をご案内します。
薬を飲んでいて低血糖の症状が出たらどうすればいいですか?
冷や汗、手の震え、動悸、強い空腹感などを感じたら、ブドウ糖や砂糖を含むものをすぐに摂ってください。症状が改善しない場合や意識がもうろうとする場合は、速やかに医療機関に連絡・受診してください。

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