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高血圧症

高血圧症

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この記事の監修医

薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)

平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長

循環器の専門医ではありませんが、救急科医長として、高血圧が引き金となる心筋梗塞・脳卒中など緊急度の高い病態に数多く対応してきました。かかりつけ医として血圧測定・血液検査・生活習慣の見直しから継続的な管理を行い、二次性高血圧が疑われる場合や治療抵抗性の高血圧など、より専門的な精査が必要と判断した場合は、連携する循環器内科・腎臓内科などへおつなぎしています。

最終更新日:

高血圧とは、血圧が慢性的に基準値(診察室血圧140/90mmHg以上が目安)を超えて高い状態が続く病気です。「健診で血圧が高いと言われたけれど、特に症状はない」――高血圧はこうした形で見つかることがほとんどです。そのため、自覚症状がないまま進行し、気づいたときには心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気につながっていることがあるため、「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」とも呼ばれています。

長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけの内科として血圧測定や血液検査から全身状態を確認し、生活習慣の見直しから薬物治療まで継続的にサポートしています。なお、二次性高血圧の疑いなど専門的な精査が必要な場合は、連携する循環器内科・腎臓内科などへご案内しますので、「何科を受診すればいいか分からない」という段階でもお気軽にご相談ください。

「高血圧」は何がまずい?原因と症状

血管の中で何が起きているのか

血圧が高い状態が続くと、血管の壁には常に強い圧力がかかり続けます。その結果、この負担が動脈硬化を進行させ、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気として現れるのが高血圧の怖いところです。厚生労働省の「e-ヘルスネット」によれば、高血圧は喫煙と並んで日本人の生活習慣病リスクに最も影響する要因のひとつで、20歳以上のおよそ2人に1人が該当するとされています。

日本人における高血圧の最大の原因は塩分の摂りすぎです。そのほか、肥満、過度の飲酒、運動不足なども発症・悪化に関わります。

高血圧を指摘されるケースと受診の流れ

指摘されやすい2つのケースとセルフチェック

次のいずれかに当てはまる方は、一度血圧を確認してみましょう。

  • 健診で「収縮期血圧(上)140mmHg以上・拡張期血圧(下)90mmHg以上」を指摘された
  • 自宅で測定すると「収縮期血圧(上)125mmHg以上・拡張期血圧(下)75mmHg以上」になることがある
  • 家族に高血圧の人が多い
  • 塩分の濃い味付けや外食・加工食品が多い
  • 肥満気味である、運動習慣がほとんどない
  • 喫煙している、お酒をよく飲む
  • 40歳以上である

血圧の分類(自分の数値がどの段階か)

「140/90以上で高血圧」とひとくくりに言っても、実際にはいくつかの段階に分かれています。つまり、数値がどの段階にあるかで、生活改善だけで様子を見てよいか、薬物療法を急ぐべきかの目安が変わります。

分類診察室血圧(上/下)家庭血圧(上/下)
正常血圧120未満/80未満115未満/75未満
正常高値血圧120〜129/80未満115〜124/75未満
高値血圧130〜139/80〜89125〜134/75〜84
Ⅰ度高血圧140〜159/90〜99135〜144/85〜89
Ⅱ度高血圧160〜179/100〜109145〜159/90〜99
Ⅲ度高血圧180以上/110以上160以上/100以上

単位はすべてmmHg。上(収縮期血圧)・下(拡張期血圧)のどちらか一方が当てはまれば、その分類に含まれます。

なお、健診基準(診察室血圧)と家庭血圧の基準値は異なります。病院で測ると緊張などから高く出る「白衣高血圧」という現象もあるため、一回の測定だけで判断せず、家庭でも複数回・異なる時間帯に測定することが重要です。

見逃されやすい「仮面高血圧」にも注意

白衣高血圧とは逆に、病院では正常なのに家庭や職場では血圧が高くなる「仮面高血圧」もあります。そのため、健診の数値だけで安心してしまい発見が遅れやすく、心筋梗塞や脳卒中のリスクは通常の高血圧と同程度に高いとされています。早朝や職場でのストレスが強い方、喫煙・多量飲酒がある方は、健診の数値が正常でも一度家庭血圧を測ってみることをおすすめします。

高齢の方に多い「収縮期高血圧」

上(収縮期血圧)だけが高く、下(拡張期血圧)は正常という「(孤立性)収縮期高血圧」(診察室血圧140mmHg以上・90mmHg未満、家庭血圧135mmHg以上・85mmHg未満が目安)は、加齢とともに血管が硬くなることで起こりやすく、高齢の方に多く見られるタイプです。「下は低いから大丈夫」と自己判断せず、上の数値だけでも基準を超えていれば一度ご相談ください。

家庭血圧の正しい測り方

家庭血圧は測り方次第で数値が大きく変わります。したがって、次のポイントを守ると、より正確な値を医師と共有できます。

基本は「朝晩1回ずつ」
  • 朝:起床後1時間以内、排尿を済ませ、朝食・服薬の前に測定
  • 晩:就寝前、入浴・飲酒の直後は避けて測定
  • 椅子に座り、1〜2分安静にしてから測定(会話はせず、脚は組まない)
  • カフを巻く腕は心臓と同じ高さに(テーブルの上などに置く)
  • 1回の測定につき2回測り、その平均を記録(数値が大きく違う場合はもう1回測る)
  • 期間:1回だけでなく、5〜7日間程度続けて測り、その平均で判断する(日本高血圧学会推奨)

指摘されたらどうすれば良い?(受診の流れ)

健診や家庭測定で基準値を超えていた場合は、まず内科(かかりつけ医)を受診し、問診・血圧の再測定・血液検査・尿検査などで全身状態を確認します。さらに、必要に応じて心電図や腹部エコーなどの追加検査を行い、二次性高血圧の可能性がないかも確認したうえで治療方針を決めていきます。

高血圧は何科を受診すればよい?

状況受診の目安
健診・家庭測定で血圧が高いと指摘された(初めて)内科(かかりつけ医)
数種類の薬を使っても血圧が下がらない、若いうちから高血圧と言われた循環器内科(二次性高血圧・治療抵抗性高血圧の精査)
胸の痛み・動悸・激しい頭痛など緊急性のある症状を伴う早急に医療機関を受診(救急対応も検討)
どこに相談すればよいか分からないまずかかりつけの内科で全身状態を確認

多くの高血圧は、まず内科(かかりつけ医)での継続的な管理で対応できます。また、当院(薬師堂かたおかクリニック)でもご相談を承っており、より専門的な検査・治療が必要と判断した場合は、連携する循環器内科・腎臓内科をご案内しています。

何科を受診すべきか迷う場合のご相談もお任せください WEB予約はこちら 📞 電話で予約

高血圧の治療目的(何を守るのか)

守るべき3つの臓器

高血圧治療の目的は、単に血圧の数値を下げることではなく「大きな血管の病気を予防して、長く健康に暮らすこと」です。つまり、高い血圧に常にさらされることで負担を受けやすいのが、脳・心臓・腎臓の3つの臓器で、これらを守ることが治療の中心的な目的になります。

高血圧を放置するとどうなる?主な合併症

高血圧を放置すると、以下のような重大な疾患のリスクが高まります。

  • 心筋梗塞・狭心症:心臓を養う血管が動脈硬化で狭くなり、詰まったり血流が不足したりする
  • 脳梗塞・脳出血:脳の血管が詰まる、あるいは破れることで起こる
  • 心不全:心臓に負担がかかり続けることでポンプ機能が低下する
  • 慢性腎臓病(CKD):腎臓の血管が傷つき、老廃物をろ過する機能が低下する
  • 大動脈瘤:血管の壁が弱くなり、こぶ状に膨らむ
  • 網膜症:目の血管が傷つき、視力低下につながることがある

高血圧の種類

高血圧には、特定の原因疾患がない「一次性(本態性)高血圧」と、他の病気が原因で血圧が上がる「二次性高血圧」の2種類があります。

一次性(本態性)高血圧:90%以上を占める

高血圧の90%以上を占めるのが一次性(本態性)高血圧で、遺伝的な要因と、塩分の摂りすぎ・肥満・運動不足・過度の飲酒・ストレスといった生活習慣が複合的に関わって発症すると考えられています。特定の原因疾患があるわけではないため、生活習慣の改善が治療の基本になります。

二次性高血圧:原因疾患があるタイプ

一方、原発性アルドステロン症、腎動脈狭窄、甲状腺疾患、睡眠時無呼吸症候群、褐色細胞腫、クッシング症候群など、特定の病気が原因となって血圧が上昇するタイプを二次性高血圧といいます。また、痛み止め(NSAIDs)や一部のステロイド薬、経口避妊薬など、服用中の薬が血圧上昇に関わっていることもあります。若いうちから血圧が高い場合や、複数の薬を使っても血圧が下がりにくい場合は、二次性高血圧の可能性を考えて詳しい検査を行うことがあります。

高血圧の治療

降圧目標は130/80mmHg未満に(2025年のガイドライン改定)

日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標が「原則として130/80mmHg未満(家庭血圧では125/75mmHg未満)」に統一されました。以前の2019年版では、75歳未満は130/80未満、75歳以上の高齢者や特定の持病がある方は140/90未満というように年齢・病態で目標を分けていましたが、新しいガイドラインでは年齢によらず130/80未満を基本目標とする方針に変わっています。

ただし、フレイル(心身が虚弱な状態)の高齢者や、脳の血管に狭窄がある方などでは、めまい・立ちくらみ・急性腎障害・高カリウム血症といったリスクを避けるため、140/90mmHg未満を目標とすることが個別に検討される場合があります。このように、数値を機械的に下げることが目的ではなく、お一人おひとりの状態を見ながら安全に降圧を進めることが重視されています。

治療は生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせて行うのが基本です。そして、生活習慣の改善だけで目標値まで下がらない場合には、降圧薬による治療を開始します。加えて、患者さまの年齢や合併症の有無に応じて、以下のような薬を単独、または複数組み合わせて処方します。

薬の種類一言でいうと
カルシウム拮抗薬血管の壁の筋肉を緩めて、血管を広げる薬
ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)血管を締め付けるホルモンの働きをブロックし、血管を広げる薬
ACE阻害薬ARBと似た仕組みで、血管を締め付けるホルモンが作られるのを抑える薬
利尿薬余分な塩分と水分を尿として排出し、血液の量を減らして血圧を下げる薬
β遮断薬心臓の拍動を穏やかにして、心臓への負担と血圧を下げる薬
α遮断薬血管を収縮させる神経の働きを抑えて、血管を広げる薬
MR拮抗薬(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)複数の薬を使っても下がりにくい治療抵抗性高血圧に、追加で使われることがある薬
豆知識:β遮断薬の位置づけが見直されました

β遮断薬は以前のガイドラインでは第一選択薬から外れていましたが、2025年のガイドライン改定で改めて選択肢の一つとして位置づけが見直されました。どの薬を選ぶかは、年齢・合併症・他の持病との組み合わせを踏まえて医師が総合的に判断します。

高血圧の対策・予防

次の6つのポイントを意識することが、高血圧の予防・改善につながります。

  • ①食事:食塩摂取量を1日6g未満に抑え、加工食品に注意しつつ、野菜・魚を積極的にとる
  • ②運動:ウォーキングなどの有酸素運動を週150分程度を目安に行う
  • ③禁煙・節酒:禁煙し、飲酒は男性で20〜30g/日、女性で10〜20g/日程度までにとどめる
  • ④体重管理:BMI22前後を目安に、適正体重を維持する
  • ⑤睡眠とストレス対策:十分な睡眠をとり、ストレスをためこみすぎない工夫をする
  • ⑥医療機関との継続的な連携:自己判断で通院や服薬を中断せず、定期的に受診する
①塩分6gの具体的なイメージ

醤油大さじ1杯(約2.6g)、味噌汁1杯(約1.2〜1.5g)、ラーメン1杯(スープまで飲むと約5〜6g)が目安です。1日6g未満というと、ラーメンのスープを残すだけでほぼ達成できる一方、醤油やみそ汁を重ねるとすぐ超えてしまいます。したがって、減塩しょうゆ・だしを効かせる・麺類の汁を残す、といった工夫が効果的です。

②運動150分の具体的な内訳

1日20〜30分のウォーキングを週5日行うイメージです。また、まとまった時間が取れない場合は、10分の早歩きを1日3回に分けても構いません。なお、息が弾む程度(人と会話はできるが歌えない程度)の強さが目安です。

高血圧は何歳から注意が必要?

厚生労働省の調査でも、20歳以上の日本人のおよそ2人に1人が高血圧に該当するとされ、加齢とともに血管が硬くなることから、有病率は年齢が上がるほど高くなる傾向にあります。一方で、肥満や運動不足、塩分の多い食生活が重なると、40歳未満の若い世代でも高血圧を指摘されることがあります。そのため、特に家族に高血圧の人が多い方は、遺伝的な要因が関わっている可能性があるため、若いうちから定期的な健診で血圧をチェックしておくことが大切です。

まとめ

高血圧は心筋梗塞・脳卒中・慢性腎臓病といった重大な病気の引き金になり得ますが、生活習慣の改善と適切な治療で確実にコントロールできます。そのため、健診や家庭での測定で基準値を超えていた場合は、症状がなくても放置せず、まずはかかりつけの内科に相談することが、将来の大きな病気を防ぐ第一歩になります。

当院での対応

薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけ医として血圧測定・血液検査・尿検査から全身状態を確認し、生活習慣の見直しのアドバイスから降圧薬による治療まで、継続的にサポートしています。二次性高血圧が疑われる場合や、治療抵抗性の高血圧、合併症の精査が必要と判断した場合は、連携する循環器内科・腎臓内科などへ速やかにご紹介しています。このように、「健診で指摘されたけれど何から始めればいいか分からない」という段階でも、まずは当院にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

一生薬を飲み続けなければいけませんか?

必ずしも一生ではありませんが、多くの方は長期的な継続が必要です。生活習慣の改善が十分であれば、将来的に薬の減量や中止が検討できる場合もありますので、自己判断で中断せず、医師に相談しながら進めましょう。

血圧に波があるのですが、どう考えればいいですか?

血圧は日内変動や心理的な影響、体調などによって変動します。一回の測定だけで判断せず、複数回・異なる時間帯での測定が重要です。病院で測ると緊張から高く出る「白衣高血圧」という現象もあるため、家庭血圧の記録を医師に見せていただくと、より正確な判断につながります。

塩分をゼロにすればいいのでしょうか?

塩分ゼロは現実的ではなく、ミネラルバランスが損なわれるおそれもあります。1日6g未満を目安に、無理のない範囲で減塩を続けることが一般的です。

降圧薬に副作用はないのでしょうか?

どの薬にも副作用のリスクはあります。利尿薬では電解質異常、カルシウム拮抗薬などではめまいや立ちくらみが起こることがあります。定期的な血液検査などでのモニタリングを行いながら治療を進めますので、気になる症状があれば遠慮なくお伝えください。

高血圧は何歳から気をつければいいですか?

加齢とともに血管が硬くなるため、年齢が上がるほど高血圧の頻度は高くなりますが、肥満や運動不足、塩分の多い食生活が重なると40歳未満でも指摘されることがあります。年齢を問わず、健診で指摘された場合や家族に高血圧の人が多い場合は、早めに血圧をチェックする習慣をつけましょう。

高血圧は遺伝しますか?

高血圧の90%以上を占める一次性(本態性)高血圧は、遺伝的な要因と生活習慣が複合的に関わって発症すると考えられています。家族に高血圧の人が多い方は体質的なリスクがやや高い可能性がありますが、食事・運動などの生活習慣を整えることで発症や進行を防げる可能性があるため、早めの健診と生活習慣の見直しをおすすめします。

家庭用の血圧計はどれを選べばいいですか?

上腕に巻くカフ式(腕帯式)の血圧計をおすすめします。手首式・指式は測定姿勢によって誤差が出やすいため、正確さを重視するなら上腕式を選びましょう。医療機関で使われている機種と同じ精度基準(JIS規格など)に対応した製品であれば、家庭用でも十分な精度が得られます。迷う場合は受診時にご相談ください。

妊娠中や更年期でも高血圧に注意が必要ですか?

はい、どちらも注意が必要です。妊娠中は「妊娠高血圧症候群」という別の病態があり、母体・胎児の双方に影響するため妊婦健診での血圧チェックが重要です。更年期はホルモンバランスの変化により血圧が上がりやすくなる時期で、これまで血圧が正常だった方でも新たに指摘されることがあります。いずれも自己判断せず、産婦人科や内科に相談してください。

健診で血圧を指摘された方、血圧が気になる方はご相談ください

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