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高尿酸血症・痛風

高尿酸血症・痛風

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この記事の監修医

薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)

平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長

痛風・高尿酸血症の専門医ではありませんが、救急科医長として、痛風発作による激しい関節痛や、高尿酸血症に伴う尿路結石・腎機能障害などの症例に数多く対応してきました。かかりつけ医として血液検査(尿酸値・腎機能)から全身状態を確認し、生活指導から薬物療法まで継続的にサポートします。関節破壊や腎障害など専門的な評価が必要な場合は、連携するリウマチ科・腎臓内科・泌尿器科へおつなぎしています。

最終更新日:

「健診で尿酸値が高いと言われたけれど、特に症状はない」――高尿酸血症はこうした形で見つかることがほとんどです。自覚症状がないまま進行し、ある日突然、足の親指の付け根などに激痛が走る「痛風発作」を起こすことがあります。さらに放置すると、尿路結石や腎障害、心血管疾患のリスクにもつながります。

長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけの内科として血液検査から全身状態を確認し、生活指導から薬物治療まで継続的にサポートしています。関節破壊や腎障害など専門的な評価が必要な場合は、連携するリウマチ科・腎臓内科をご案内しますので、「何科を受診すればいいか分からない」という段階でもお気軽にご相談ください。

痛風発作と高尿酸血症について

高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が高い状態を指します。一方、痛風発作は、尿酸が結晶化して関節内に沈着し、強い炎症と痛みを引き起こす急性症状です。高尿酸血症が続くことで、痛風発作を起こしやすくなります。

痛風発作のイラスト

尿酸値が高い状態が続くと、血液中で尿酸が飽和し、尿酸ナトリウム(MSU)結晶として析出します。これらの結晶が関節内に沈着すると、免疫細胞(好中球など)が反応して強い炎症を引き起こし、突然の激しい痛みや腫れをもたらします。最も多い場所は足の親指の付け根で、赤く腫れて激痛になります。

高尿酸血症・痛風は何科を受診すればよい?

健診で尿酸値の異常を指摘された場合や、関節の痛み・腫れがある場合は、まず内科(かかりつけ医)を受診してください。問診・採血・尿検査で全身状態を確認し、生活指導から始めるべきか、薬物療法が必要かを判断します。痛風関節炎を繰り返す場合はリウマチ科・整形外科、尿路結石や腎障害を伴う場合は腎臓内科・泌尿器科をご案内します。

健診で指摘された尿酸値についてのご相談もお任せください WEB予約はこちら 📞 電話で予約

高尿酸血症の診断基準

検査項目高尿酸血症と判定される数値
血清尿酸値7.0 mg/dL超

出典:日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版[2022年追補版]」

なぜ7.0mg/dLが基準なのか

7.0 mg/dLは、尿酸ナトリウム(MSU)が血液中で溶けきれずに結晶化しはじめる「飽和溶解度」にあたります。この数値を超えると結晶ができやすくなり、痛風発作や合併症のリスクが高まるため診断の基準とされています。空腹時・随時の採血条件による基準の違いはありません。

動脈硬化・合併症との関連

高尿酸血症は、痛風だけの問題ではありません。腎結石や慢性腎臓病、心血管疾患との関連も指摘されており、単に尿酸値の数値を見るだけでなく、全身の健康状態を含めた総合的な管理が重要です。

高尿酸血症と動脈硬化(動脈の硬化・血管の剛性増大)との関連を示す報告があり、尿酸自体が血管の炎症や酸化ストレスを誘導する可能性が議論されています。ただし、因果関係が確定しているわけではなく、高血圧・糖尿病・肥満といった他のリスクと共存している場合が多い点には注意が必要です。また尿酸値が高い状態が続くと慢性腎臓病を進行させる要因となることがあるため、尿酸値の管理が重要となるケースがあります。個別の臨床状況に応じた評価と治療が必要です。

高尿酸血症の原因

高尿酸血症は、尿酸を体内で作りすぎる場合と、腎臓や腸から尿酸をうまく排泄できない場合、その両方が重なる場合とで起こります。日本痛風・尿酸核酸学会のガイドライン(第3版2022年追補版)では、腎臓にかかる尿酸の負荷が増えるタイプを「腎負荷型」(尿酸を作りすぎる「産生過剰型」と、腸からの排泄が減った分だけ腎臓の負担が増える「腎外排泄低下型」に細分されます)、腎臓からの排泄そのものが低下するタイプを「尿酸排泄低下型」、両方が合わさったタイプを「混合型」と分類しています。以下に代表的な要因を挙げます。

□ 生活習慣に関連する要因

  • 高プリン食(内臓・一部の魚介類・濃いだし等)や過度のアルコール摂取(とくにビール)は尿酸産生を増やす。
  • 肥満・メタボリックシンドロームは尿酸上昇と関連する。
  • 脱水や大量の糖質摂取も影響する場合がある。

□ 排泄低下に関する要因

  • 腎機能低下(慢性腎臓病)や利尿薬などの薬剤が尿酸排泄を低下させる。
  • 甲状腺機能低下や一部の疾患が関与することがある。

□ 遺伝的/特発性要因

一部には遺伝的素因や体質があり、同じ食生活でも高尿酸になりやすい人がいます。

高尿酸血症・痛風のセルフチェック

次のような特徴に心当たりがある場合、高尿酸血症・痛風のリスクが高い可能性があります。

  • ビールなどのアルコールをよく飲む
  • 内臓や魚介類(干物・かつお節など)を好んでよく食べる
  • 肥満・メタボリックシンドロームを指摘されている
  • 血縁者(親・兄弟姉妹)に痛風・高尿酸血症の方がいる
  • 足の親指の付け根などに急な痛み・腫れを経験したことがある

これらに当てはまる場合でも、早い段階で生活習慣を見直すことで発症や進行を抑えられる可能性があります。健康診断で尿酸値の異常を指摘された方は、早めのご相談が大切です。

高尿酸血症・痛風の治療(急性発作と長期管理)

□ 痛風発作の治療

  • 急性期は痛みと炎症を速やかに抑える。一般的にはNSAIDs、コルヒチン、またはステロイド注射・内服が用いられる(ご本人の腎機能・服薬状況で選択)。
  • 痛風発作中に尿酸低下薬を新たに開始すると急激な痛みを誘発することがあるため、基本的に急性期の治療はまず炎症管理を優先し、医師と相談のうえ開始時期を決める。

□ 長期管理(再発予防と合併症リスク低減)

  • 生活習慣の改善(減酒、体重管理、プリン摂取の調整、水分摂取)を行う。
  • 再発が多い、関節破壊や腎障害がある、尿酸結石を繰り返すなど高リスクの患者には尿酸値を低下させる内服薬を開始する。目標血清尿酸値はガイドラインで示されている(一般に6.0 mg/dL以下を目標とすることが多い)。
  • 薬剤選択は腎機能や心血管リスク、薬剤相互作用を考慮して行う。

□ 薬物治療を検討する目安

状態薬物治療の目安
痛風関節炎・痛風結節がある尿酸値にかかわらず薬物治療を検討
ない場合(合併症*あり)尿酸値8.0 mg/dL以上で薬物治療を検討、8.0 mg/dL未満は生活指導
ない場合(合併症*なし)尿酸値9.0 mg/dL以上で薬物治療を検討、9.0 mg/dL未満は生活指導

*合併症:腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病など。実際の開始判断は個々の病状により医師が行います。
出典:日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版[2022年追補版]」

□ 代表的な尿酸降下薬

  • 尿酸生成抑制薬:アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットなど(尿酸を作りにくくする薬)
  • 尿酸排泄促進薬:ベンズブロマロンなど(尿に尿酸を出しやすくする薬)
【服薬時の注意】

薬の種類や量は、腎機能・尿路結石の有無・他の持病によって医師が選びます。まれに重い薬疹や肝機能障害を起こすことがあるため、体調の変化を感じた場合は自己判断で中止・減量せず、必ず医師にご相談ください。

高尿酸血症の予防・対策

「原因」でご紹介した生活習慣は、裏を返せば整えることで対策できるということでもあります。ここでは、今日から取り組める具体的な行動をご紹介します。

  • アルコール(特にビール)を控える
  • 内臓や一部の魚介類(かつお節・干物など)など高プリン食品の摂取を調整する
  • 過度な糖質・果糖の摂取を控える(ジュース類に注意)
  • 適正体重を維持し、定期的に運動する
  • 十分な水分摂取で尿量を保つ(結晶形成を抑える。目安は1日尿量2,000mL以上を確保できる飲水量)

血清尿酸値・腎機能・尿検査を定期的にチェックし、異常があれば専門医と相談のうえ早めの対応を行ってください。

高尿酸血症・痛風は何歳から注意が必要?

高尿酸血症・痛風は男性に圧倒的に多く、プリン体を多く含む食事やアルコール摂取の習慣が重なると20〜30代でも発症することがあります。女性は女性ホルモンに尿酸値をコントロールする働きがあるため男性より少ない傾向にありますが、閉経後はホルモン分泌の低下によりやや増加するといわれています。血縁者に痛風・高尿酸血症の方が多い場合は、若いうちから健康診断で尿酸値をチェックしておくことが大切です。

まとめ

高尿酸血症・痛風は「数値(尿酸)」だけでなく、結晶化のしやすさ・腎機能・生活習慣・合併症リスクを総合的に評価して管理することが重要です。急性発作は速やかな炎症抑制が必要で、再発予防には生活改善と、状態に応じた尿酸低下療法が有効です。定期検査と主治医との連携で、腎・心血管合併症を未然に防ぎましょう。

当院での対応

薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけ医として血液検査(尿酸値・腎機能)から全身状態を確認し、生活指導から薬物治療まで、一人ひとりの生活スタイルに合わせた診療を行っています。関節破壊や腎障害など専門的な評価が必要と判断した場合は、連携するリウマチ科・腎臓内科・泌尿器科へ速やかにご紹介しています。健康診断の結果で気になる数値があった方、症状はないけれど不安な方も、まずは当院にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

尿酸値が高いだけで必ず痛風になりますか?
いいえ。高尿酸血症の人のすべてが痛風発作を起こすわけではありません。尿酸値以外に結晶化しやすい局所条件や個人差が関与します。
尿酸値はどのくらい下げれば良いですか?
一般的な目標は血清尿酸値を6.0 mg/dL以下に保つことです。薬物治療を始めるかどうかは、痛風関節炎の有無や合併症(腎障害・尿路結石・高血圧など)の有無、尿酸値によって医師が判断します。個別の目標は病歴・合併症に応じて設定します。
痛風発作中に尿酸を下げる薬を始めても良いですか?
発作中に尿酸低下療法を新たに開始すると一時的に発作を誘発することがあるため、基本的に急性期の治療はまず炎症管理を優先し、医師と相談の上で開始時期を決めます。
どんな検査を受ければ良いですか?
血液検査(尿酸値、腎機能)、尿検査(尿酸結晶や血尿の有無)、必要に応じて画像検査(腎結石の有無)などが検査項目です。
自分でできる予防の一番大事なことは?
飲酒量の見直し(特にビール)と適正体重の維持、十分な水分摂取が重要です。日常の食事で高プリン食品や高果糖飲料を控えることも効果的です。
高尿酸血症・痛風は何科を受診すればよいですか?
まずは内科(かかりつけ医)を受診してください。多くの場合、生活指導や内服治療はかかりつけ医で対応できます。痛風関節炎を繰り返す場合はリウマチ科・整形外科、尿路結石や腎障害を伴う場合は腎臓内科・泌尿器科をご案内します。
健診で尿酸値が高いと言われましたが、症状がなくても受診すべきですか?
はい。高尿酸血症は自覚症状がないまま進行し、ある日突然、痛風発作や尿路結石を起こすことがあります。合併症の有無によって生活指導だけで十分か、薬物治療が必要かが変わるため、症状がなくても一度ご相談ください。

健診で尿酸値を指摘された方はご相談ください

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