生活習慣病とは?
ー医療の専門知識に基づいて分かりやすくまとめましたー
※本記事は、日本の公的ガイドライン(高血圧・糖尿病・脂質異常症・慢性腎臓病)および厚生労働省の公開情報を参考に、医師が内容を確認し作成しています。
本ページの要点
- 生活習慣病は高血圧・糖尿病・脂質異常症などが中心で、放置すると心筋梗塞や脳卒中、腎不全へ進行する
- 生活習慣病の症状は乏しく、健診による早期発見が重要
- 原因は食事・運動・肥満・喫煙・ストレスなどの生活習慣
- 治療目的は動脈硬化の進行を抑え、重大な合併症を予防すること
- 予防には食事・運動・禁煙・睡眠・医療連携が必須
目次
- 生活習慣病とその原因
- 指摘されるケースと症状・受診のタイミング
- 生活習慣病をなぜ予防・治療するのか
- 代表的な疾患と特徴
- 各疾患の関係性(メタボリックドミノ)
- 生活習慣病の予防方法・食事・改善方法
- まとめ
- よくある質問(FAQ)
生活習慣病とその原因
生活習慣病とは、食事・運動・喫煙・飲酒・睡眠などの生活習慣が深く関与する疾患の総称です。 特に「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症(高脂血症)」「高尿酸血症(痛風)」が代表で、 放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞・脳卒中・慢性腎臓病へつながります。
生活習慣病の主な原因としては、食事の乱れ、運動不足、肥満、ストレス、喫煙などが挙げられます。 こうした原因が長期的に積み重なることで、血管や内臓に負担がかかり、疾患へと発展します。
生活習慣病はどのように指摘される?
ー症状・検査・受診の流れー
□ 典型的な症状が出にくい理由
生活習慣病の多くは初期症状が乏しく、気づかないまま進行することがよくあります。 この「症状の出にくさ」が、健診による早期発見が重要な理由のひとつです。
□ 健診での指摘が最も多い
健診で発覚する項目は以下の通りです。
- 血圧の上昇(高血圧)
- 血糖値・HbA1c の上昇(糖尿病の疑い)
- LDL コレステロールの上昇(脂質異常症)
- 尿酸値の上昇(高尿酸血症)
- 腎機能(eGFR・Cr)の低下
生活習慣病をなぜ予防・治療するのか
生活習慣病治療の目的は、単に数値を改善することではなく、心筋梗塞・脳卒中・慢性腎臓病(CKD)を長期的に予防し、健康寿命を延ばすことです。
動脈硬化は長期的に進むため、早期に生活習慣の改善と治療介入が重要です。
生活習慣病の代表的な疾患(症状・特徴)
高血圧
血圧が慢性的に高い状態が続く病気です。「サイレントキラー」とも呼ばれ、自覚症状がほとんどありませんが、心疾患や脳血管疾患のリスクを高めます。
糖尿病
血糖値が慢性的に高くなる病気です。合併症として網膜症、腎症、神経症を引き起こす可能性があり、生活の質に大きな影響を与えます。
脂質異常症(高脂血症・高コレステロール血症)
血液中のコレステロールや中性脂肪の値が異常な状態です。動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。
高尿酸血症(痛風)
血液中の尿酸値が高くなる状態で、痛風の原因となります。腎機能障害や動脈硬化のリスクも高めることが知られています。
慢性腎臓病(CKD)
腎臓の機能が徐々に低下していく病気で、放置すると腎不全に進行し、末期では人工透析が必要になることがあります。
各疾患の関係性(メタボリックドミノ)
生活習慣病が互いに連鎖し悪化していく流れを示すのが「メタボリックドミノ」です。この図は、メタボリックシンドロームによる健康障害、生活習慣病からの病気の進行を表したイラストになります。生活習慣から始まり、最終的には生命の危機に関わる疾患までの流れを示しています。
▼ メタボリックドミノ図

※日本内科学会雑誌 第100巻 第 1 号 p192より参照
生活習慣病の予防・食事・改善方法
生活習慣病の予防には、日常の食事・運動・禁煙・睡眠が重要です。 とくに食事改善は、生活習慣病改善方法の中でも最も効果が高いとされています。
① 食事改善(生活習慣病と食事の基本)
- 1日3食、規則正しい食事を心がける
- 野菜を1日350g以上摂取する
- 塩分を1日6g未満に控える
- 適正カロリーを守り、腹八分目を意識する
- 魚や大豆製品などの良質なたんぱく質を摂る
- 食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂る
② 運動習慣
- 週に150分以上の中強度の有酸素運動を行う
- 筋力トレーニングを週2回以上行う
- 日常生活で歩く機会を増やす(1日8,000歩以上)
- エレベーターより階段を使う
- 座りっぱなしを避け、1時間に1回は立ち上がる
③ 飲酒・禁煙
- 適正飲酒を心がける(日本酒1合、ビール中瓶1本程度まで)
- 喫煙は強力に動脈硬化を進めるため、禁煙は最重要
④ 睡眠とストレス管理
質の良い睡眠を7-8時間確保することが大切です。睡眠不足はホルモンバランスを崩し、血圧や血糖を悪化させます。ストレス管理も同様です。
⑤ 医療機関との連携
継続的な診察・検査を行うことで、生活習慣病の進行を抑えられます。
まとめ
生活習慣病は初期症状が出にくい一方、進行すると心筋梗塞・脳卒中・慢性腎臓病といった重大な疾患につながります。 早期の生活改善と医療介入により、これらを確実に予防できます。
とくに食事の見直しや運動習慣の確立は、生活習慣病の改善方法として非常に効果的です。
当院では、生活習慣病外来・栄養指導・健診など総合的なサポートを行っています。 気になる症状や健診異常がある方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 生活習慣病は治りますか?
「完治」というよりはコントロールする病気です。ただし、生活改善によって数値が正常化し、薬が不要になるケースも珍しくありません。
Q2. 生活習慣病は予防できますか?
はい、予防できます。体重管理、食事改善、運動習慣、十分な睡眠、ストレス管理などで発症リスクを大幅に下げられます。特にお腹周りの脂肪(内臓脂肪)を減らすことが効果的です。
Q3. 健康診断で異常を指摘されました。すぐ受診した方が良いですか?
「血圧が高め」「血糖値が高め」「コレステロールが高い」と言われた場合、早めに受診することをおすすめします。放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気につながるためです。
Q4. どんな人が生活習慣病になりやすいですか?
肥満気味、運動不足、外食が多い、甘い飲み物をよく飲む、喫煙習慣がある、家族に生活習慣病の人がいる方は、特に注意が必要です。
Q5. 何歳から生活習慣病のリスクが高まりますか?
40歳前後から増加しますが、近年は若い世代でも不規則な生活習慣によりリスクが高まっています。若い頃からの予防が将来の健康につながります。
参考文献
- 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」
- 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」
- 日本動脈硬化学会「脂質異常症ガイドライン」
- KDIGO(腎疾患国際ガイドライン)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット
※本記事は最新の医療ガイドラインに基づき、医師が内容を精査して作成しています。

















