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慢性腎臓病

慢性腎臓病(CKD)

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この記事の監修医

薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)

平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長

腎臓内科の専門医ではありませんが、救急科医長として、慢性腎臓病が進行した際に起こる高カリウム血症や心不全、尿毒症など緊急度の高い病態に数多く対応してきました。かかりつけ医として血液検査(クレアチニン・eGFR)や尿検査から腎機能を確認し、生活習慣の指導から内服治療まで継続的にサポートします。腎機能の低下が進んでいる場合や専門的な精査・治療が必要と判断した場合は、連携する腎臓内科へおつなぎしています。

最終更新日:

「健診で腎臓の数値(クレアチニン・eGFR)や尿蛋白を指摘されたけれど、特に症状はない」――慢性腎臓病(CKD)はこうした形で見つかることがほとんどです。自覚症状がないまま進行し、気づいたときには透析や心筋梗塞・脳卒中といった重大な合併症につながっていることがあります。

長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけの内科として血液検査・尿検査から全身状態を確認し、生活習慣の指導から薬物治療まで継続的にサポートしています。専門的な精査や治療が必要な場合は連携する腎臓内科へご案内しますので、「何科を受診すればいいか分からない」という段階でもお気軽にご相談ください。

慢性腎臓病(CKD)とは

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、腎臓の働きが慢性的に低下した状態、あるいは腎臓に何らかの異常が持続している病気の総称です。次の①・②のいずれか、または両方が3か月以上続く場合に診断されます。

  • ①血液検査で腎機能を示す指標であるeGFR(推算糸球体濾過量。腎臓が血液をろ過する能力を年齢・性別・血清クレアチニン値から算出した数値)が60mL/分/1.73m²未満に低下している
  • ②尿検査でタンパク尿(0.15g/gCr以上)アルブミン尿(30mg/gCr以上)が認められる

日本では成人の約8人に1人が慢性腎臓病と推定され、決して珍しい病気ではありません。初期段階では自覚症状がほとんどないため、健康診断などでの早期発見が非常に重要です。

慢性腎臓病は何科を受診すればよい?

健診や人間ドックで「腎臓の数値(クレアチニン・eGFR)」や「尿蛋白」の異常を指摘された場合は、まず内科(かかりつけ医)を受診してください。問診・採血・尿検査で全身状態と原因を確認し、生活習慣の改善から始めるべきか、薬物療法が必要かを判断します。腎機能の低下が進んでいる場合や、専門的な精査(腎生検など)が必要な場合は、連携する腎臓内科をご案内します。

健診で指摘された数値についてのご相談もお任せください WEB予約はこちら 📞 電話で予約

慢性腎臓病の症状

慢性腎臓病の特徴は、初期段階ではほとんど自覚症状がないことです。病気がある程度進行してから、以下のような症状が現れることがあります。

  • むくみ(特に顔や足)
  • 疲労感・倦怠感(体がだるい、疲れやすい)
  • 貧血
  • 息切れ
  • 食欲不振
  • 尿の異常(泡立つ、色や量の変化)
  • 夜間頻尿

これらの症状が現れた時には、すでに腎機能が相当低下している可能性があります。定期的な健康診断で尿検査や血液検査を受けることが、早期発見の鍵となります。

慢性腎臓病のセルフチェック

次のような項目に複数当てはまる方は、慢性腎臓病のリスクが高い可能性があります。

  • 糖尿病や高血圧を指摘されている、または治療中である
  • 健診で尿蛋白・血尿を指摘されたことがある
  • 肥満気味で、特にお腹まわりの脂肪が気になる
  • 喫煙習慣がある
  • 鎮痛薬(NSAIDsなど)を日常的に使用している
  • 血縁者に腎臓病や透析治療を受けている方がいる
  • 40歳以上で、ここ数年健診を受けていない

症状がなくても、これらに複数当てはまる場合は一度尿検査・血液検査を受けることをおすすめします。

重症度分類(ステージ)

慢性腎臓病は、腎機能の程度(G分類)と尿タンパク・尿アルブミンの量(A分類)によって、重症度が分類されます。

eGFRによる分類(G分類)

G分類eGFR(mL/分/1.73m²)状態
G190以上正常または高値
G260~89正常または軽度低下
G3a45~59軽度~中等度低下
G3b30~44中等度~高度低下
G415~29高度低下
G515未満高度低下~末期腎不全

尿タンパク・尿アルブミンによる分類(A分類)

A分類で使う検査項目と基準値は、原因となっている病気によって異なります。

原疾患指標A1A2A3
糖尿病性腎臓病尿アルブミン/Cr比(mg/gCr)30未満30~299300以上
高血圧性腎硬化症・腎炎・多発性嚢胞腎など尿タンパク/Cr比(g/gCr)0.15未満0.15~0.490.50以上

※糖尿病が原因の場合は「尿アルブミン」、それ以外の病気が原因の場合は「尿タンパク」の数値で判定します。
出典:日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」表2

重症度分類の使い方

腎機能の低下度(G分類)とA分類を組み合わせて、総合的に重症度を判定します。例えば、糖尿病のない方でeGFR 47・尿タンパク0.6g/gCrの場合は「慢性腎臓病ステージG3aA3」と診断されます。重症度は緑→黄→オレンジ→赤の順にステージが上がるほど、末期腎不全や心血管疾患のリスクが高くなります。

放置すると危険な理由

慢性腎臓病を放置すると、以下のようなリスクが高まります。

  • 末期腎不全への進行:透析や腎移植が必要になる
  • 心血管疾患のリスク増加:心筋梗塞、脳卒中、心不全などの発症率が高くなる
  • 生活の質の低下:貧血、倦怠感、食欲不振などにより日常生活が制限される
  • 合併症の発症:骨の異常、電解質異常、尿毒症(老廃物が血液中に溜まり全身に影響を及ぼす状態)など

適切な治療により、これらのリスクを大幅に減らすことが可能です。

慢性腎臓病の原因

慢性腎臓病の原因はさまざまですが、現在特に増加しているのが生活習慣病に関連したものです。

主な原因

  1. 糖尿病:最も多い原因の一つで、高血糖状態が続くことで腎臓の細い血管が障害されます
  2. 高血圧:腎臓の血管に負担をかけ、徐々に腎機能を低下させます
  3. 脂質異常症
  4. 肥満(特に内臓脂肪の蓄積)
  5. 慢性腎炎(IgA腎症など)
  6. 多発性嚢胞腎などの遺伝性疾患
  7. 加齢:腎機能は年齢とともに自然に低下します

特に糖尿病と高血圧は、慢性腎臓病の二大原因となっており、これらの疾患を適切に管理することが腎臓を守ることにつながります。

慢性腎臓病の治療

慢性腎臓病の治療目標は、腎機能の悪化を防ぎ、進行を遅らせること、そして心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患の発症を予防することです。

1. 生活習慣の改善

減塩が最も重要です。1日の塩分摂取量は6g未満を目標とします。

  • 醤油や味噌の使用量を減らす
  • だしや香辛料、酢などで味に変化をつける
  • 加工食品や外食の塩分に注意する

タンパク質の適正管理も重要です。ステージが進行すると、タンパク質の制限が必要になる場合があります。

適切なエネルギー摂取:必要なカロリーは確保しながら、バランスの良い食事を心がけます。

カリウム・リンの調整:病状に応じて、これらのミネラルの摂取調整が必要になることがあります。

そのほか、適度な運動(ウォーキングなどの有酸素運動)、禁煙適正体重の維持(特に内臓脂肪を減らすことが重要)、十分な睡眠ストレス管理適切な水分摂取も、腎臓を守るうえで大切な生活習慣です。

2. 薬物療法

原因となっている病気の治療が基本です。

  • 血圧管理:降圧薬(尿タンパクを伴う場合はACE阻害薬やARBが特に有効です)
  • 血糖管理:糖尿病治療薬
  • 脂質管理:脂質異常症の治療薬
  • 貧血の治療:エリスロポエチン製剤、鉄剤など
  • リンの管理:リン吸着薬
  • 尿酸値の管理:高尿酸血症の治療

薬剤は腎機能に応じて種類や量の調整が必要です。必ず医師の指示に従い、市販薬やサプリメントの使用前にも相談してください。

3. 腎代替療法

末期腎不全(ステージG5)に進行した場合には、以下の腎代替療法(腎臓の機能を人工的に補う治療の総称)が必要になります。

  • 血液透析
  • 腹膜透析
  • 腎移植

慢性腎臓病の対策・予防

慢性腎臓病は早期発見・早期治療により、悪化を防ぐことができる病気です。以下のポイントを心がけましょう。

定期的な健康診断

  • 年に1回以上、尿検査と血液検査(クレアチニン、eGFR)を受ける
  • 健診結果で異常を指摘されたら、必ず医療機関を受診する

生活習慣病の予防と管理

  • 糖尿病や高血圧がある方は、しっかりとコントロールする
  • 定期的に通院し、処方された薬は指示通りに服用する

腎臓に優しい生活

減塩・バランスの良い食事・適度な運動・禁煙・適正体重の維持など、具体的なポイントは前述の「慢性腎臓病の治療」内の生活習慣の改善をご参照ください。

薬剤使用の注意

  • 必要な薬以外は使用しない
  • 市販薬やサプリメント使用前に医師・薬剤師に相談
  • 腎臓に負担をかける可能性のある薬剤(NSAIDsなど)の使用に注意

慢性腎臓病は何歳から気をつける?

慢性腎臓病そのものに「何歳から」という明確な境界はありませんが、腎機能は加齢とともに自然に低下し、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を合併すると若い世代でも進行が早まることがあります。特に40歳以上の方は、健診での尿検査・血液検査(クレアチニン・eGFR)を毎年受けることが推奨されます。糖尿病や高血圧で治療中の方は、年齢を問わず定期的な腎機能チェックが重要です。

まとめ

慢性腎臓病(CKD)は自覚症状が少ないまま進行し、心筋梗塞・脳卒中・腎不全・透析のリスクを高める病気です。しかし、早期に発見し、血圧・血糖・脂質の管理、減塩、生活習慣の改善を行うことで、進行を大幅に遅らせることができます。

健診で「腎臓の数値が高い(クレアチニン・eGFR)」や「尿蛋白」を指摘された場合は、早めにご相談ください。

当院での対応

薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけ医として血液検査(クレアチニン・eGFR)や尿検査から腎機能を確認し、生活習慣の指導から内服治療まで、一人ひとりの状態に合わせた慢性腎臓病診療を行っています。腎機能の低下が進んでいる場合や専門的な精査・治療が必要と判断した場合は、連携する腎臓内科へ速やかにご紹介しています。健康診断の結果で気になる数値があった方、症状はないけれど不安な方も、まずは当院にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

慢性腎臓病は治りますか?
一度失われた腎機能は基本的に元に戻りませんが、早期に発見し適切な治療を行うことで、進行を大幅に遅らせることは可能です。
自覚症状はありますか?
初期はほとんど自覚症状がありません。健診での尿検査・血液検査(クレアチニン・eGFR)が、唯一といってよい発見方法です。
なぜ高血圧が腎臓に悪いのですか?
腎臓は細い血管の集まりでできた臓器であり、高血圧の状態が続くとこれらの血管がダメージを受け、腎機能の低下につながるためです。
タンパク質は控えた方がいいですか?
病気の原因や進行度によって、タンパク質の制限が必要になる場合があります。自己判断で極端な制限をせず、医師・管理栄養士にご相談ください。
透析はいつから始まりますか?
血液検査の数値だけでなく、むくみや倦怠感などの尿毒症症状、日常生活への影響などを総合的にみて判断します。実際に透析を開始する時点の腎機能(eGFR)は平均でおよそ5〜6程度とされていますが、個人差が大きいため、主治医とよく相談しながら準備を進めることが大切です。
慢性腎臓病は何科を受診すればよいですか?
健診で「腎臓の数値(クレアチニン・eGFR)」や「尿蛋白」を指摘された場合は、まず内科(かかりつけ医)を受診してください。原因の精査や生活指導、内服治療の多くはかかりつけ医で対応でき、腎機能の低下が進んでいる場合や専門的な治療が必要な場合は、腎臓内科をご案内します。
セルフチェックに当てはまったらすぐ受診すべきですか?
症状がなくても、糖尿病・高血圧・肥満などの危険因子に複数当てはまる場合は、次の健康診断を待たずに一度尿検査・血液検査を受けることをおすすめします。すでに健診で異常を指摘されている方は、早めのご相談が重要です。

健診で腎臓の数値・尿蛋白を指摘された方はご相談ください

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