感染性胃腸炎
薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)
平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長
消化器の専門医ではありませんが、救急科医長として、脱水や重症感染症など緊急度の高い病態に数多く対応してきました。かかりつけ医として症状や脱水の程度を確認し、水分補給の指導から対症療法まで対応します。血便を伴う、脱水が強いなど、より専門的な検査・治療が必要と判断した場合は、連携する消化器内科・小児科などへおつなぎしています。
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感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌などの病原体が口から入り、胃や腸の粘膜に炎症を起こす病気の総称です。急激に始まる嘔吐や下痢が特徴で、多くは数日から1週間程度で自然に回復しますが、乳幼児や高齢者は脱水症状に注意が必要です。
長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけの内科として症状や脱水の程度を確認し、水分補給の指導から対症療法まで対応しています。血便を伴う、脱水が強いなど、より専門的な検査が必要と判断した場合は、連携する医療機関へご案内しますので、「何科を受診すればいいか分からない」という段階でもお気軽にご相談ください。
本ページの要点
- 冬から春に流行するウイルス性(ノロ等)が多い
- 主な症状は下痢、嘔吐、腹痛、発熱
- 乳幼児や高齢者は脱水症状に注意が必要
- 血便を伴う場合、市販の下痢止めの自己判断使用はかえって危険なことがある
- 手洗いやタオルの区別など、家庭内での二次感染予防が重要
- 脱水症状が強い場合は早めの受診が推奨
原因と症状
感染性胃腸炎は、病原体(ウイルス、細菌、寄生虫など)が口から入ることで、胃や腸の粘膜に炎症が起きる病気です。最大の特徴は「急激に始まる嘔吐や下痢」で、激しい症状により体力を消耗したり、脱水状態に陥ったりすることがあるため油断は禁物です。
主な症状
- 下痢:水のような便が何度も出ます。
- 嘔吐・吐き気:突然始まり、数時間から半日ほど続くことがあります。
- 腹痛:差し込むような痛みが伴います。
- 発熱:微熱から、時に高熱が出ることもあります。
感染性胃腸炎は何日で治る?
ウイルス性の場合は、症状が出てから3日以内(1週間ほど続く場合もあります)に自然回復することがほとんどです。一方、細菌性の場合は原因菌によって経過や重症度が異なり、症状が長引いたり急激に悪化したりすることがあるため、改善しない場合や症状が強い場合は自己判断で様子を見続けず、医療機関に相談してください。
ノロウイルスは、症状が治まった後も1〜2週間ほど便の中にウイルスが排出され続けるといわれています。症状がなくなったからと油断せず、しばらくは手洗いやトイレの消毒を続けることが、家庭内での二次感染予防につながります。
注意すべき「脱水症状」
特に小さなお子様やご高齢の方は進行が早いため、以下のサインに注意してください。
- 口の中や唇が乾いている
- おしっこの回数や量が極端に少ない
- ぐったりして元気がない
- 泣いても涙が出ない(乳幼児)
感染性胃腸炎の種類
原因となる病原体によって、大きく「ウイルス性」と「細菌性」に分けられます。
ウイルス性胃腸炎(主に冬〜春)
- ノロウイルス:非常に感染力が強く、冬場に流行します。
- ロタウイルス:乳幼児に多く、白い米のとぎ汁のような下痢が特徴です。
- アデノウイルス:夏場も含め年間を通して見られます。
細菌性胃腸炎(主に夏)
- カンピロバクター:加熱不十分な鶏肉などが原因となります。
- サルモネラ:卵やペットなどを介して感染することがあります。
- 腸管出血性大腸菌(O157など):激しい腹痛や血便を伴うことがあります。
腸管出血性大腸菌(O157など)が原因の場合、市販の下痢止めや自己判断での抗菌薬使用は、かえって症状を悪化させ、HUS(溶血性尿毒症症候群)と呼ばれる腎機能障害等の重い合併症のリスクを高める可能性があります。血便を伴う下痢がある場合は、市販薬で様子を見ず、早めに医療機関を受診してください。
対策・予防と自宅でのケア
二次感染を防ぐためのご家庭でのケアが非常に重要です。
- こまめな水分補給:経口補水液を少量ずつ頻繁に摂取してください。
- 手洗いの徹底:石鹸を使用し、指先までしっかり洗い流しましょう。
- タオルを別に分ける:家族間でのタオルの共用は避けましょう。
- 入浴の順番を最後にする:感染した方は家族の最後に入浴してください。
- 嘔吐物の処理:塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)が有効です。
吐き気が強く水分が摂れない、血便が出る、意識がはっきりしないといった場合は、速やかに医療機関を受診してください。
何科を受診すべきか
| 状況 | 受診の目安 |
|---|---|
| 嘔吐・下痢はあるが水分は摂れている(成人) | 内科(かかりつけ医) |
| 乳幼児の嘔吐・下痢 | 小児科 |
| 血便がある、水分がまったく摂れない、意識がはっきりしない | 早急に医療機関を受診(救急対応も検討) |
| どこに相談すればよいか分からない | まずかかりつけの内科で全身状態を確認 |
多くの場合、内科(消化器内科を含む)で対応可能です。乳幼児の場合は小児科の受診が基本です。当院でも内科診療の一環としてご相談を承っており、脱水が強い場合や血便を伴う場合など、精査や点滴治療が必要と判断した際は、連携する医療機関をご案内しています。
保育園・幼稚園・学校はいつから行ける?
感染性胃腸炎(ノロウイルス等)は、インフルエンザのように出席停止の日数が法律で一律に決められている病気ではありません。学校保健安全法上は「第三種・その他の感染症」に位置づけられ、必要に応じて学校医の意見を踏まえて学校長・園長が判断します。一般的には、嘔吐・下痢の症状が治まり、普段の食事がとれる状態になるまでが登園・登校の目安とされています。保育園によって独自の基準(登園届の要否など)を設けている場合もあるため、通っている園・学校に確認することをおすすめします。
まとめ
感染性胃腸炎の多くはウイルス性で、数日から1週間程度で自然に回復します。ただし、脱水症状が強い場合や、血便を伴う場合(市販の下痢止め・抗菌薬の自己判断使用は避けてください)は、放置せず早めに医療機関を受診することが大切です。
当院での対応
薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけ医として症状や脱水の程度を確認し、水分補給の指導から対症療法まで対応しています。血便を伴う場合や脱水が強い場合など、より専門的な検査・点滴治療が必要と判断した場合は、連携する消化器内科・小児科などへ速やかにご紹介しています。「何科に行けばいいか分からない」という段階でも、まずは当院にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
市販の下痢止めを飲んでもいいですか?
食事はどのようなものを摂ればいいですか?
アルコール除菌スプレーは効果がありますか?
抗生剤(抗菌薬)は処方されますか?
保育園や学校はいつから行けますか?
感染性胃腸炎は何日で治りますか?
※本記事は、上記資料を参考に医師が内容を精査し作成しています。
月〜土診療 / 京都府長岡京市今里西ノ口7-1


















