気胸
薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)
平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長
気胸は呼吸器外科が専門的に扱う疾患のひとつです。市立ひらかた病院での呼吸器外科医長・救急科医長としての経験を活かし、突然の胸痛・呼吸困難に対する初期対応や重症度の見極めを行い、入院・手術など専門的な治療が必要と判断した場合は、連携する高次医療機関へ迅速につないでいます。
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ある日突然、胸に痛みが走り、息苦しさを感じる――それは「気胸」のサインかもしれません。気胸は、肺を包む胸膜腔に空気がたまり、肺がしぼんでしまう病気です。特に10~30代のやせ型の男性に多く発症し、再発しやすいことも知られています。
長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、呼吸器外科・救急科での診療経験を持つ院長が、問診・胸部X線などから気胸の重症度を見極め、入院や手術など専門的な治療が必要と判断した場合は、連携する高次医療機関へご案内しています。突然の胸の痛みや息苦しさでお困りの際は、様子を見ずにご相談ください。
その胸の痛み・息苦しさ、危険信号かもしれません|今すぐ受診・救急要請すべきサイン
気胸は軽症で自然に改善することも多い一方、重症化すると生命に関わることがあります。以下のサインが1つでも当てはまる場合は、様子を見ずに医療機関を受診するか、救急車の要請を検討してください。
- 急な息切れ、呼吸困難がある
- 胸の中央や片側が締め付けられるような、または圧迫されるような痛みが2~3分以上続く
- 唇や顔色が青紫色(チアノーゼ)になっている
- 冷や汗を伴う強い胸の痛みがある
- 意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が鈍い
厚生労働省は、急な息切れ・呼吸困難や、胸の中央が締め付けられるような痛みが2~3分以上続く場合には、迷わず119番するよう呼びかけています。気胸が重症化した状態(緊張性気胸)では、高度の呼吸困難やチアノーゼ、ショック症状が現れることがあり、命に関わる場合があります。
「これくらいなら大丈夫」と我慢してしまう方も多いですが、気胸は早期に対応すれば軽症で済むことも少なくありません。少しでも不安を感じたら、当院にご相談ください。
気胸の種類|原因による分類
気胸は原因によって、大きく4つに分類されます。
| 種類 | 主な原因 |
|---|---|
| 自然気胸 | 明らかな基礎疾患がなく、肺の上部にできやすい「ブラ(気腫性嚢胞)」が破れて発症。気胸の中で最も多いタイプ |
| 続発性気胸 | COPD(肺気腫)、間質性肺炎、リンパ脈管筋腫症(LAM)、肺ランゲルハンス細胞組織球症など、もともとの肺疾患に伴って発症 |
| 外傷性気胸 | 交通事故、転落、打撲など、胸部への外傷によって発症 |
| 医原性気胸 | 点滴(中心静脈カテーテル留置)や生検など、医療行為に伴って発症 |
このうち最も頻度が高いのが自然気胸で、日本呼吸器学会によると10~30代のやせ型の男性に多く発症するとされています。
気胸になりやすいのは何歳から?なりやすい人の特徴
自然気胸は「10~30代のやせ型の男性」に好発することが知られています。身長が高くやせ型の体型の方は、肺の上部に圧力がかかりやすく、ブラができやすいためと考えられています。一方で、COPDや間質性肺炎などの肺疾患をお持ちの方は、年齢を問わず続発性気胸を発症するリスクがあります。
日本呼吸器学会は、喫煙がリスクを高める呼吸器疾患のひとつとして自然気胸を挙げています。10~30代の若い世代であっても、喫煙者は非喫煙者に比べて気胸を発症・再発しやすいため、禁煙が重要な予防策となります。
気胸の主な症状
気胸の代表的な症状は、以下のように突然現れることが特徴です。
- 突然の片側の胸の痛み(肩や背中に痛みが放散することもあります)
- 息苦しさ(呼吸困難)
- 咳
症状が軽い場合は「少し息苦しいかな」程度で見過ごされることもありますが、肺の虚脱が進んだり、重症化して緊張性気胸になったりすると、高度の呼吸困難やチアノーゼ、ショック症状を伴うことがあります。安静にしていても症状が改善しない、または悪化する場合は、早めに医療機関を受診してください。
気胸は何科を受診すればよい?診断の流れ
突然の胸の痛みや息苦しさは、気胸だけでなく心臓や血管の病気が原因のこともあるため、まずは内科・呼吸器内科・呼吸器外科、または症状が強い場合は救急外来を受診することをおすすめします。どこに相談すればよいか判断がつかない場合は、まずかかりつけの内科で全身状態を確認してもらうのも一つの方法です。
診断方法
- 胸部X線検査:肺の虚脱(しぼみ)や胸腔内の空気の貯留を確認します
- CT検査:原因となるブラ・ブレブの有無や大きさ、再発リスクの評価に有効です。続発性気胸が疑われる場合は、原因となる肺疾患の特定にも役立ちます
当院では、問診と胸部X線などで気胸が疑われる場合、重症度に応じて速やかに専門的な検査・治療が可能な医療機関と連携しています。
気胸の治療法
治療方針は、肺の虚脱の程度や症状の強さによって異なります。
1. 軽度の場合
肺の虚脱が軽度で症状も軽い場合は、安静にして経過を観察するだけで、体内に空気が自然に吸収され改善することがあります。
2. 中等度~重度の場合
- 胸腔ドレナージ:胸腔内にチューブを挿入し、たまった空気を体外に排出します
- 酸素投与:呼吸状態に応じて酸素を補います
- 胸膜癒着術:薬剤を用いて肺と胸壁を癒着させ、再発を防ぐ処置です
- 胸腔鏡下手術(VATS):再発を繰り返す場合や、ブラが大きい場合には、小さな傷から内視鏡を挿入し、原因となるブラを切除する手術が行われます
自然気胸は再発することがあり、日本呼吸器学会によると再発率は約30~50%とされています。特に喫煙者や肺にブラがある方は再発リスクが高いため、注意が必要です。
日常生活の注意点・再発予防
- 禁煙する(自然気胸のリスクを高める要因として指摘されています)
- 過去に気胸になったことがある方は、激しい運動や胸部に強い力がかかる動作を避ける
- 飛行機への搭乗やダイビングなど、気圧が大きく変化する活動を予定している場合は、事前に医師に相談する
- 再び胸の痛みや息苦しさを感じたら、様子を見ずに早めに受診する
気胸に明確な予防法はありませんが、禁煙は再発予防のために特に重要とされています。当院では禁煙のご相談も承っておりますので、お気軽にお申し出ください。
当院での対応
薬師堂かたおかクリニックでは、呼吸器外科・救急科での診療経験を持つ院長が、問診・診察・胸部X線などから気胸の可能性と重症度を見極めます。軽症で経過観察が可能と判断した場合は当院で対応し、胸腔ドレナージや手術など入院を伴う専門的な治療が必要と判断した場合は、速やかに連携する高次医療機関へご紹介しています。
「これくらい大丈夫だろう」と自己判断せず、突然の胸の痛みや息苦しさを感じた際は、まず当院にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
気胸は何科を受診すればいいですか?
気胸のセルフチェック方法はありますか?危険なサインを教えてください。
気胸は再発しますか?
気胸が起きたら救急車を呼ぶべきですか?
気胸を予防する方法はありますか?
※本記事は、上記資料を参考に医師が内容を精査し作成しています。
月〜土診療 / 京都府長岡京市今里西ノ口7-1









