むくみ
薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)
平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長
むくみは心臓・腎臓・肝臓・甲状腺・血管など複数の臓器が関係することがある症状です。循環器・腎臓の専門医ではありませんが、救急科・内科診療の経験から、むくみの背景にある全身疾患の可能性を意識した問診・診察を行っています。かかりつけ医として血液検査や尿検査などで全身状態を確認し、精密検査や専門的な治療が必要と判断した場合は、連携する循環器内科・腎臓内科・血管外科などへおつなぎしています。
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夕方になると靴がきつくなる、朝起きると顔がむくんでいる――多くの方が経験する「むくみ」ですが、その裏に心臓・腎臓・肝臓・甲状腺などの病気が隠れていることがあります。一時的な生活習慣によるものか、内科的な疾患のサインなのかを見分けることが大切です。
長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけ医として問診・血液検査・尿検査などから全身状態を確認し、専門的な精査や治療が必要と判断した場合は、連携する医療機関へご案内しています。「たかがむくみ」と自己判断せず、気になる症状があればご相談ください。
そのむくみ、危険信号かもしれません|今すぐ受診すべきサイン
むくみの多くは一時的なものですが、中には早急な受診が必要なケースがあります。以下のサインが1つでも当てはまる場合は、様子を見ずに医療機関を受診してください。
- 数日〜1週間で体重が2〜3kg以上急に増えた
- むくみとともに息切れ・呼吸困難がある(横になると苦しい)
- 片足だけが急に腫れ、痛み・赤み・熱感を伴う
- 尿の量が減った、尿の色が濃くなった
- 胸の痛みや動悸を伴う
- むくみとともに強い倦怠感・食欲低下がある
片足だけが急激に腫れて痛みや赤みを伴う場合、深部静脈血栓症(足の静脈にできた血のかたまり)の可能性があります。国立長寿医療研究センターによると、この血栓が肺の血管に飛ぶと肺塞栓症を起こし、命に関わることがあるとされています。
「これくらいなら大丈夫」と放置してしまう方も多いですが、早期に原因を調べることで、背景にある病気を早く見つけられることもあります。少しでも不安を感じたら、当院にご相談ください。
むくみ(浮腫)が起こる主な原因
むくみは、血管から漏れ出た水分が皮膚の下の組織にたまることで起こります。原因は大きく「一時的な生活習慣によるもの」と「病気が背景にあるもの」に分けられます。
1. 生活習慣による一時的なむくみ
- 塩分の摂り過ぎ
- 長時間の立ち仕事・座り仕事による血流の停滞
- 運動不足によるふくらはぎの筋ポンプ機能の低下
- 女性ホルモンの影響(月経前・妊娠中など)
このタイプのむくみは、左右対称に軽度で現れ、生活習慣の見直しで改善することが多いのが特徴です。
2. 病気が関係している可能性があるむくみ
国立長寿医療研究センターは、足のむくみの原因を全身性のものと局所性のものに分類しています。全身性の原因としては、心臓・腎臓・肝臓・甲状腺の機能低下や、薬剤の副作用などが挙げられています。
| 関連する臓器・疾患 | むくみに伴いやすい症状の例 |
|---|---|
| 心臓(心不全) | 階段や坂道での息切れ、足の甲やすねのむくみ、1週間で2〜3kgの体重増加 |
| 腎臓(ネフローゼ症候群・慢性腎不全など) | 左右対称のむくみ、尿の泡立ち・尿量の変化、指で押すと跡が残る |
| 肝臓(肝硬変など) | お腹の張り(腹水)、黄疸、倦怠感 |
| 甲状腺(甲状腺機能低下症) | 指で押しても跡が残りにくいむくみ(粘液水腫)、体重増加、寒がり、便秘 |
| 血管(下肢静脈瘤・深部静脈血栓症) | 片足だけのむくみ、こむら返り、血栓症では急な腫れ・痛み・赤み |
日本腎臓学会によると、腎臓が原因のむくみは体内に余分な水分がたまることで起こり、左右対称に現れやすいとされています。原因を特定するには、血液検査や尿検査などによる評価が欠かせません。
むくみのセルフチェック方法
ご自宅でできる簡単な確認方法として、以下のポイントをチェックしてみてください。
- 押した跡が残るか:すねの骨の上を指で5秒ほど押してみて、跡がへこんだまま残る場合(圧痕性浮腫)は、心臓・腎臓・肝臓が関係するむくみで多くみられます
- 跡が残りにくいか:指で押しても跡がつきにくいタイプのむくみは、甲状腺機能低下症(粘液水腫)などでみられることがあります
- 左右差があるか:片足だけがむくむ場合は、下肢静脈瘤や深部静脈血栓症など、その足に原因がある可能性があります
- 時間帯による変化:夕方に悪化し朝には軽快する場合は一時的なものであることが多く、朝から顔や全身がむくんでいる場合は病気が関係している可能性があります
セルフチェックで異常が疑われた場合はもちろん、「一時的なものだろう」と判断した場合でも、むくみが1週間以上続く、繰り返す、悪化するといった場合は、自己判断を続けずに医療機関を受診してください。
むくみは何科を受診すればよい?診断の流れ
むくみは心臓・腎臓・肝臓・血管・甲状腺など、さまざまな臓器が関係するため、まずは「内科」の受診をおすすめします。全身の状態を把握したうえで、必要に応じて循環器内科・腎臓内科・血管外科などの専門診療科と連携して治療を進めていくのが最もスムーズです。
診断の流れ
- 問診・視診:むくみの部位(片足か両足か、顔か全身か)、出現時間帯、他の症状の有無を確認します
- 血液検査:腎機能、肝機能、心臓の負荷を示す数値(BNPなど)、甲状腺ホルモン、アルブミン(栄養状態)などを調べます
- 尿検査:タンパク尿の有無など、腎臓の状態を確認します
- 心電図・胸部レントゲン:心臓の状態や、心不全に伴う胸水の有無を確認します
- お薬手帳の確認:降圧薬など、むくみを起こしやすい薬剤の有無を確認します
当院では、これらの検査で原因を確認し、専門的な精査・治療が必要と判断した場合は、速やかに連携する医療機関をご紹介しています。
一時的なむくみへの対処法・日常生活の注意点
病気が原因ではないと確認できた場合、以下のような生活習慣の見直しでむくみの軽減が期待できます。
- 塩分を控えめにする(減塩)
- 長時間同じ姿勢を続けない。適度に足を動かす
- ウォーキングなど、ふくらはぎの筋肉を使う運動を取り入れる
- 弾性ストッキングを活用する(血管が原因の場合に有効)
- 就寝時に足を少し高くして休む
ただし、心臓や腎臓に持病がある方は、自己判断での水分制限や塩分制限が症状を悪化させることもあるため、必ず医師の指示に従ってください。
よくある質問(FAQ)
むくみは何科を受診すればいいですか?
むくみのセルフチェック方法はありますか?
片足だけむくむのですが、危険なサインでしょうか?
むくんでいる時は、水分を控えた方がいいですか?
指で押して跡が残らなければ、放っておいても大丈夫ですか?
※本記事は、上記資料を参考に医師が内容を精査し作成しています。
月〜土診療 / 京都府長岡京市今里西ノ口7-1





