関節痛
薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)
平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長
整形外科の専門医ではありませんが、救急科では外傷や急性の関節炎で来院された患者様の診察・初期対応に数多く携わってきました。かかりつけ医として問診・血液検査(炎症反応や尿酸値など)による全身状態の確認を行い、精密検査や専門的な治療が必要と判断した場合は、連携する整形外科・リウマチ科へおつなぎしています。
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「立ち上がる時や歩き始めに膝が痛む」「朝起きると指の関節がこわばる」など、関節痛は年齢を問わず多くの方が経験する症状です。原因は加齢に伴う軟骨のすり減りから、免疫の異常、尿酸の結晶化まで様々で、原因によって適した対処法や受診先が異なります。
長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけの内科として関節痛に関するご相談・全身チェックに対応していますので、「整形外科に行くべきか、様子を見ていいのか」判断に迷ったときはご活用ください。
なぜ関節は痛むのか?痛みのメカニズム
関節の痛みは、大きく「摩擦」と「炎症」の2段階で進行すると考えられています。
- 関節にかかる負荷や加齢による乾燥で、クッションの役割を果たす軟骨がすり減り、骨同士の距離が近くなります。
- すり減って生じた組織片が関節を包む滑膜を刺激し、炎症反応が起こります。
- その結果、関節液(潤滑油の役割)が過剰に分泌されて腫れが生じ、周囲の神経が圧迫・刺激されて痛みとして感じられます。
関節痛を引き起こす主な原因
関節痛には、大きく分けて次の4つのタイプがあります。特徴によって疑われる原因が変わってきます。
| 原因 | 特徴 | 主な部位・年代 |
|---|---|---|
| ①変形性関節症 | 長年の体重負荷や筋力低下により軟骨がすり減る、最も頻度の高い原因。動き始めに痛むのが特徴 | 膝・股関節に多い/中高年 |
| ②関節リウマチ | 免疫が誤って自身の関節を攻撃する病気。朝のこわばりと、左右対称に腫れるのが特徴 | 手指・手首に多い/30〜40代の女性に多い |
| ③結晶誘発性関節炎 | 痛風が代表例。尿酸などが結晶化し、急激な激痛を引き起こす | 足の親指の付け根に多い/中高年男性に多い |
| ④薬剤や感染による影響 | 脂質異常症の薬(主な副作用は筋肉痛だが、関節痛が出ることも)や抗生物質、ウイルス感染などが関節痛を引き起こすことも | 全身どこでも起こりうる |
変形性関節症と関節リウマチについては、日本整形外科学会「変形性関節症」、同学会「関節リウマチ」で詳しく解説されています。
③の原因となる「高尿酸血症」は、血液検査で尿酸値が7.0mg/dLを超えると診断されます(厚生労働省 e-ヘルスネット「高尿酸血症」)。
関節痛のセルフチェック
「受診するべきか様子を見てよいか」の目安として、以下のチェック項目をご活用ください。ただし、あくまで受診の目安であり、自己判断の代わりにはなりません。
関節リウマチが疑われるサイン
- 朝起きたとき、手指がこわばって動かしにくい状態が30分以上続く
- ペットボトルのふたを開けるなど、細かい動作がしにくい
- 左右対称の関節(両手指、両手首など)に痛みや腫れがある
- 血縁者に関節リウマチと診断された人がいる
2つ以上当てはまる場合は、早めにリウマチ科・膠原病内科へのご相談をおすすめします(出典:新小倉病院リウマチ科)。
変形性関節症・ロコモが疑われるサイン
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 階段を上がるのに手すりが必要である
- 15分くらい続けて歩くことができない
1つでも当てはまる場合、関節や筋肉の衰えで移動機能が低下する「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」の可能性があります(出典:日本整形外科学会公式「ロコモONLINE」ロコチェック)。
関節痛は何科を受診すればよい?
原因によって適した診療科が異なるため、迷った場合は次を目安にしてください。
- 整形外科:膝や股関節など特定の関節が動き始めに痛む、転倒やスポーツなど外傷後の痛みがある場合
- リウマチ科・膠原病内科:朝のこわばりが1時間以上続く、左右対称に複数の関節が腫れるなど関節リウマチが疑われる場合(血液検査でリウマトイド因子(RF)などを調べます)
- かかりつけの内科:どこを受診すべきか迷う場合、発熱や全身のだるさなど他の症状を伴う場合
当院(薬師堂かたおかクリニック)でも内科診療の一環として関節痛のご相談を承っており、血液検査(炎症反応・尿酸値など)で全身状態を確認したうえで、専門的な精査が必要と判断した場合は連携する整形外科・リウマチ科をご案内しています。
見逃してはいけない「受診を急ぐべきサイン」
- 安静にしていても激しく痛む(夜間も含む)
- 関節が赤く腫れ、熱を持っている
- 発熱や全身のだるさを伴う
- 急激に関節が動かなくなった、または変形が目立つ
化膿性関節炎は発症から3〜4日以内に治療を開始できるかどうかで予後が大きく変わるとされ、診断・治療の遅れが軟骨破壊など後遺症につながることがあります。
日常生活でできる負担軽減の対策
「負担を減らす」と「支える力を養う」のバランスが重要です。
適切な保温
冷えは血行を悪化させ、痛みを感じやすくします。サポーターや入浴で温めることが有効です。ただし、関節が腫れて熱を持っているときは、温めずに冷やしてください。
衝撃の緩和
クッション性の高い靴を選ぶ、荷物を片側に偏らせて持たないなど、日常の動作で関節への衝撃を減らす工夫が負担軽減につながります。
負担の少ない運動
水中ウォーキングや椅子に座った状態での足上げ運動など、関節に重力の負担をかけにくい運動は、痛みを悪化させずに関節を支える筋力を維持するのに効果的です。
よくあるご質問(FAQ)
関節痛は何科(整形外科・内科・リウマチ科)を受診すればいいですか?
「水が溜まるとクセになる」から抜かないほうがいいですか?
雨の日や寒い日に痛むのは、気のせいでしょうか?
サプリメントだけで改善しますか?
関節痛は何歳頃から増えますか?
セルフチェックに当てはまったら、必ず病気があるということですか?
- 公益社団法人 日本整形外科学会「変形性関節症」
- 公益社団法人 日本整形外科学会「関節リウマチ」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「高尿酸血症」
- 国家公務員共済組合連合会 新小倉病院リウマチ科(日本リウマチ学会専門医監修)「関節炎とリウマチの違い」
- 公益社団法人 日本整形外科学会公式「ロコモONLINE」ロコチェック
※本記事は、上記情報を参考に医師が内容を精査し作成しています。
月〜土診療 / 京都府長岡京市今里西ノ口7-1





