筋肉痛
薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)
平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長
呼吸器外科・救急を中心に経験を積んだ「かかりつけ医」として、筋肉痛のご相談では持病や服用中のお薬(脂質異常症治療薬など)による影響がないか全身状態を確認し、専門的な精査が必要と判断した場合は連携する整形外科・専門機関へおつなぎしています。
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運動した翌日以降にやってくる筋肉痛は、多くの方が経験するありふれた症状で、数日安静にしていれば自然に治まっていきます。しかし「心当たりがないのに筋肉が痛む」「何日経っても良くならない」「尿の色がいつもと違う」といった場合は、単なる筋肉痛ではなく体からの重要なサインであることがあります。
また、脂質異常症のお薬(スタチン系)を服用中の方は、薬の影響で筋肉痛のような症状が現れることがあります。長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけの内科として筋肉痛に関するご相談・全身チェックに対応していますので、判断に迷ったときはご活用ください。
筋肉痛を早く治すための時期別セルフケア
筋肉痛は、時期に合わせたケアを行うことで回復を早めることができます。
| 時期 | ケア内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 運動直後〜当日 | アイシング(冷却) | 炎症を抑え、痛み物質が広がるのを防ぎます |
| 翌日以降 | 入浴・軽めのストレッチ | 血行を促進し、修復を助けます |
| 回復期間中は継続して | 栄養摂取(タンパク質・ビタミンB1) | 筋肉の材料補給とエネルギー代謝をサポートします |
公益社団法人日本臨床整形外科学会によると、アイシングは氷を用いて感覚がなくなるまで(20分以内を目安に)冷却し、その後感覚が戻るまで(約40分)間隔をあけて繰り返すのが基本とされています。この20分冷却・40分休止のサイクルを目安に、48時間程度続けるとよいとされています。冷やしすぎによる凍傷を防ぐため、長時間の連続使用は避けてください。
なぜ筋肉痛は起こるのか?そのメカニズムと原因
筋肉痛の主な原因は、傷ついた筋肉組織を修復する過程で起こる「炎症」です。次の3段階で痛みが生じると考えられています。
- ① 微細な損傷普段使わない筋肉を使ったり、筋肉を伸ばしながら力を入れる運動(伸張性運動)を行うことで、筋線維に細かい傷がつきます。
- ② 炎症反応傷ついた組織を修復しようと白血球などが集まり、その過程でブラジキニンなどの痛み物質が放出されます。
- ③ 神経への伝達放出された痛み物質が周囲の知覚神経を刺激し、「痛み」として感じられます。
運動以外で起こる筋肉痛の原因
筋肉痛は運動以外の要因でも起こります。デスクワークなどによる長時間の同じ姿勢は血行不良を招き、筋肉のこわばりや痛みにつながります。また、脂質異常症の治療に使われるスタチン系のお薬や、一部の抗生物質(ニューキノロン系)など、内服薬の副作用として筋肉痛が現れることもあります。
厚生労働省の重篤副作用疾患別対応マニュアルでも、高脂血症治療薬(スタチン系)や抗生物質(ニューキノロン系)などを服用中に「手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む」「手足がしびれる」「手足に力が入らない」「こわばる」「全身がだるい」「尿の色が赤褐色になる」といった症状がみられた場合は、放置せずに医師・薬剤師へ連絡するよう案内されています。自己判断でお薬を中断せず、まずはかかりつけ医にご相談ください。
見逃してはいけない「危険なサイン」|筋肉痛のセルフチェック
以下のいずれかに当てはまる場合、単なる筋肉痛ではなく「横紋筋融解症」など重篤な病気が隠れている可能性があります。様子を見ずに早めに医療機関を受診してください。
- 尿の色が濃い赤褐色(紅茶やコーラのような色)になっている
- 心当たりがないのに強い筋肉痛や脱力感が続く
- 痛みが2週間以上続く、または悪化していく
- 痛む部位が激しく腫れている
- 筋力低下やしびれを伴う
- 手足や患部がこわばる、または全身のだるさ(倦怠感)が強い
筋肉痛は何科を受診すればよい?
運動後の一般的な筋肉痛であれば、通っている整形外科でも相談できます。一方で、心当たりのない筋肉痛や、服用中のお薬・持病との関連が疑われる場合、上記のような危険なサインを伴う場合は、まず身近な「かかりつけの内科」で全身状態や血液検査を含めたチェックを受けるのも一つの方法です。当院(薬師堂かたおかクリニック)でも内科診療の一環として筋肉痛に関するご相談を承っており、専門的な精査が必要と判断した場合は連携する整形外科などをご案内しています。
筋肉痛に似た症状を伴う病気
筋肉の痛みを伴う病気には、次のようなものがあります。心当たりのある症状が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
| 病気 | 特徴・疑うべきタイミング |
|---|---|
| インフルエンザ・ウイルス感染症 | 発熱や倦怠感とともに、全身の筋肉痛・関節痛が現れる |
| 横紋筋融解症 | 強い筋肉痛・脱力に加え、尿の色が赤褐色になる。薬剤性や脱水・熱中症でも起こる |
| 線維筋痛症 | 全身の広範囲に3か月以上続く慢性的な痛み |
| 多発性筋炎・皮膚筋炎 | 手足の付け根など体幹に近い筋肉の脱力が徐々に進行する |
| 閉塞性動脈硬化症(ASO) | 歩行時にふくらはぎが痛み、休むと治まる(間欠性跛行) |
| 甲状腺機能低下症 | 筋肉のこわばりや痛みに加え、冷え・むくみ・体重増加・倦怠感などの全身症状を伴うことがある |
よくある質問(FAQ)
年をとると筋肉痛が遅れてくるのは本当ですか?
筋肉痛がある時に運動を続けてもいいですか?
湿布は「冷」と「温」どちらが良いですか?
市販の鎮痛薬(消炎鎮痛剤)を飲んでもいいですか?
筋肉痛はどのくらいで治りますか?何日も続く場合は病気の可能性がありますか?
脂質異常症のお薬(スタチン)を飲んでいますが、筋肉痛が出た場合はどうすればいいですか?
※本記事は、上記資料を参考に医師が内容を精査し作成しています。
月〜土診療 / 京都府長岡京市今里西ノ口7-1





