のどの痛み・違和感
薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)
平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長
呼吸器外科・救急を中心に経験を積んだ「かかりつけ医」として、のどの痛み・違和感のご相談に対しては発熱や息苦しさなど全身状態を確認し、扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎など緊急性が疑われる場合や専門的な処置が必要な場合は、連携する耳鼻咽喉科へ速やかにおつなぎしています。
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のどの痛み・違和感は、風邪のひき始めなどで誰もが経験する非常にありふれた症状です。多くは数日で自然に軽快しますが、中には扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎のように、放置すると呼吸が苦しくなるほど悪化する病気が隠れていることもあります。
長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけの内科としてのどの痛みに伴う発熱・全身状態のチェックに対応しており、インフルエンザ・新型コロナウイルス・溶連菌などの迅速検査も行っています。専門的な処置が必要と判断した場合は、連携する耳鼻咽喉科へご案内していますので、判断に迷ったときはご活用ください。
のどの痛み・違和感の「3つの主な原因」
のどの症状は、原因によって大きく3つのタイプに分けられます。
- ウイルス・細菌による炎症:風邪のウイルスや溶連菌などの細菌がのどの粘膜に感染し、炎症を起こすことで痛みや腫れが生じます。最も頻度の高い原因です。
- 物理的・化学的な刺激:空気の乾燥、喫煙、飲酒、大声の出しすぎ、逆流した胃酸などがのどの粘膜を直接刺激することで、炎症を伴わない痛みや違和感が生じます。
- のどの形状・構造の変化:声帯ポリープや扁桃の腫れ、まれに腫瘍などによって、のどの中の空間や粘膜の形状そのものが変化し、持続的な違和感や異物感につながります。
よくある「のどの病気」と特徴
代表的なのどの病気と、それぞれの特徴・起こりやすい状況をまとめました。
| 疾患名 | 特徴 | 起こりやすい状況 |
|---|---|---|
| 咽頭炎・扁桃炎 | のどの痛み、発熱、飲み込む時の痛み | 風邪の初期、疲労や乾燥がきっかけ |
| 溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎) | 高熱と強いのどの痛み、いちご舌を伴うことがある | 学童期の子どもに多く、冬季・春〜初夏に流行 |
| 咽喉頭異常感症 | 検査では異常が見つかりにくい、のどの詰まり感・異物感 | ストレス、加齢、逆流性食道炎との合併 |
| 逆流性食道炎(胃食道逆流症) | のどの違和感・声のかすれ・慢性の咳 | 就寝中に胃酸がのどまで逆流することで起こりやすい |
| アレルギー性鼻炎 | 鼻水が喉に流れ込む後鼻漏によるイガイガ感 | 花粉症の時期、ハウスダストの多い環境 |
見落としてはいけない「危険なのどの病気」|扁桃周囲膿瘍・急性喉頭蓋炎
のどの痛みの多くは心配のいらないものですが、まれに空気の通り道が狭くなり、命に関わることもある病気が隠れています。息苦しさや強い開口障害を伴う場合は、様子を見ずに早めの受診が必要です。
扁桃周囲膿瘍
扁桃の周りに細菌感染が広がり、膿がたまる病気です。片側だけの強い痛みが耳の奥まで響くように感じられ、口が開けにくくなる(開口障害)ことが特徴です。膿がたまった場合は、切開して排膿する処置が必要になることもあります。
急性喉頭蓋炎
のどの奥にあるフタのような組織(喉頭蓋)が腫れる病気で、進行すると空気の通り道がふさがれ、窒息の危険もある耳鼻咽喉科救急の中でも特に緊急性の高い病気です。のどの痛みに加えて、強い息苦しさや唾を飲み込めないほどの症状がある場合は、様子を見ずにすぐに医療機関を受診してください。
片側だけの強い痛みが耳まで響く、口が開けにくい、唾を飲み込めない、息苦しさがある、といった場合は、単なる炎症ではなく緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。
すぐに受診すべき「危険なサイン」|セルフチェック
のどの痛みの多くは自然に軽快しますが、以下のような症状を伴う場合は、早めの受診を検討してください。
- 息苦しさがある、呼吸がゼーゼー・ヒューヒューする
- 唾や食事を飲み込む際に鋭い痛みがある、よだれが増える
- 口が開けにくい、片側だけの強い痛みが耳の奥まで響く
- のど奥の扁桃に白いブツブツや膜のようなものが見える
- 2週間以上、声のかすれが続く
- 高熱と一緒に、いちご舌のような発疹がある(子どもに多い)
- のどの違和感や圧迫感が長く続く、悪化していく
上記の中でも「2週間以上、声のかすれが続く」場合は、声帯ポリープなど良性の変化であることが多いですが、まれに喉頭がんが隠れていることがあります。特にたばこを吸われる方は、念のため耳鼻咽喉科で内視鏡検査を受けておくと安心です。
のどの痛みは何科を受診すればよい?
息苦しさや強い開口障害、扁桃の白い膜など専門的な処置が必要な場合は「耳鼻咽喉科」が基本になります。発熱を伴う一般的なのどの痛みで、インフルエンザや溶連菌などの迅速検査を希望する場合や、持病との関連が心配な場合は、まず身近な「かかりつけの内科」で全身チェックを受けるのも一つの方法です。当院(薬師堂かたおかクリニック)でも内科診療の一環としてのどの痛みに関するご相談を承っており、専門的な処置が必要と判断した場合は連携する耳鼻咽喉科をご案内しています。
自宅でできる「のどのケア」と受診時のポイント
危険なサインがないのどの痛みの多くは、日々のちょっとした心がけで悪化を防ぐことができます。
- のどを乾燥させない:加湿器の使用やこまめな水分補給で、のどの粘膜の乾燥を防ぎましょう。マスクの着用も保湿に役立ちます。
- 刺激を避ける:喫煙・飲酒、香辛料の強い食べ物、大声を出すことは炎症を悪化させるため、症状がある間は控えましょう。
- 症状の経過を記録しておく:いつから症状があるか、発熱の有無、周囲での流行状況などをメモしておくと、受診時の診察がスムーズになります。
子どものどの痛みで注意すべきこと
子どもは扁桃炎や溶連菌感染症にかかりやすく、高熱とのどの痛みを訴えることがよくあります。水分や食事が摂れないほどの痛みがある場合や、いちご舌のような発疹を伴う場合は、早めに医療機関を受診してください。市販の喉スプレーやトローチは軽い炎症を和らげる効果は期待できますが、細菌感染に対する根本的な治療にはならないため、症状が強い場合や長引く場合は自己判断で様子を見続けないようにしましょう。
抗菌薬が処方された場合、症状が良くなっても自己判断で服用をやめず、指示された日数(通常10日間程度)を最後まで飲みきることが大切です。途中でやめてしまうと、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった合併症のリスクが高まることがあります。
よくある質問(FAQ)
のどの痛みで内科を受診しても良いのでしょうか?
市販の喉スプレーやトローチで様子を見ても大丈夫ですか?
受診の際、どのような検査を行いますか?
のどの痛みは何科(内科・耳鼻咽喉科)を受診すればいいですか?
扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎はどんな症状に気をつければ分かりますか?
子どものどの痛みで注意すべき点はありますか?
のどの痛みは何日くらいで治りますか?長引く場合は何を疑いますか?
- 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「口・のどの症状」
- 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「何科を受診すればいいか迷ったら・・・」
- 国立健康危機管理研究機構「A群溶血性レンサ球菌感染症」
- 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター「逆流性食道炎ってどんな病気?」
- 国立健康危機管理研究機構「抗微生物薬適正使用の手引き 第三版」(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎に対する抗菌薬10日間投与の推奨)
※本記事は、上記資料を参考に医師が内容を精査し作成しています。
月〜土診療 / 京都府長岡京市今里西ノ口7-1





