足のしびれ
薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)
平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長
足のしびれは、整形外科的な原因(腰椎由来)、糖尿病などの内科的な原因、血管の詰まりによる原因など多岐にわたります。呼吸器外科・救急を中心に経験を積んだ「かかりつけ医」として、糖尿病や動脈硬化など背景にある持病を含めて全身状態を確認し、専門的な検査・治療が必要と判断した場合は連携する整形外科・脳神経外科・血管外科などへおつなぎしています。
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「足がジンジンする」「正座の後のようなピリピリ感が続く」——足のしびれは多くの方が経験する症状ですが、その原因は腰椎の病気だけでなく、糖尿病の合併症や血管の詰まりなど多岐にわたります。中には、早急な対応が必要な「危険なサイン」が隠れていることもあります。
長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけの内科として糖尿病や動脈硬化などの持病を含めた全身状態の確認に対応しており、専門的な検査や治療が必要と判断した場合は連携する整形外科・脳神経外科・血管外科などへご案内していますので、原因の見当がつかない場合はご活用ください。
なぜ「しびれ」は起こるのか?
しびれは、脳から手足まで信号を伝える「神経」が、何らかの原因で圧迫されたり損傷したりすることで起こります。神経を電気配線にたとえると、配線の一部が挟まれたり傷ついたりすると、電気信号がうまく伝わらなくなるのと同じで、圧迫・損傷された部分より先(多くは足先)に、ピリピリ・ジンジンといった異常な感覚として症状が現れます。
神経のどの部分が影響を受けているかによって、しびれの現れ方や範囲、伴う症状が異なるため、原因を見分ける手がかりになります。
足のしびれを引き起こす主な原因
足のしびれの原因は、大きく「腰椎(脊椎)由来」「末梢神経の障害」「血管の障害」の3つに分けられます。
| 分類 | 主な疾患 | 特徴・見分け方 |
|---|---|---|
| 腰椎由来 | 腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症 | 腰痛を伴うことが多く、片側の足に沿ってしびれや痛みが放散する(坐骨神経痛)。脊柱管狭窄症では、歩くとしびれや痛みが強まり、少し休むと軽快する「間欠性跛行」が特徴的 |
| 末梢神経の障害 | 糖尿病神経障害、足根管症候群 | 糖尿病神経障害は、腰痛を伴わず両足の先から靴下を履いているような感覚でジンジンとしびれるのが特徴。足根管症候群は、足首の内側の神経が圧迫され、足の裏にピリピリとしたしびれが出る |
| 血管の障害 | 閉塞性動脈硬化症(ASO/近年は「末梢動脈疾患」とも呼ばれます) | 動脈硬化により足への血流が悪くなる病気。初期は足の冷感・しびれ感、進行すると歩くとふくらはぎが痛み休むと軽快する間欠性跛行が現れる |
腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行は、前かがみになったり座って休んだりすると楽になりやすいのが特徴です。一方、閉塞性動脈硬化症による間欠性跛行は、姿勢に関わらずしばらく休む(立ち止まる)だけで痛みが軽快します。見分けの一つの目安にはなりますが、正確な診断には検査が必要です。
このほか、ビタミンB12不足や、まれに脳卒中の後遺症としてしびれが現れることもあります。
足のしびれは何歳から注意が必要?なりやすい人の特徴
腰部脊柱管狭窄症は加齢に伴う背骨の変化が背景にあるため、60代以降で増加する傾向があります。一方、糖尿病神経障害は年齢よりも糖尿病の罹病期間や血糖コントロールの状態と関連が深く、働き盛りの世代でも発症します。閉塞性動脈硬化症は、喫煙・糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病を抱える50代以降の方に多くみられます。
糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病をお持ちの方は、神経障害・血管障害のいずれによるしびれも起こりやすくなります。健診で指摘を受けている方は、しびれを「年のせい」と自己判断せず、早めにご相談ください。
すぐに受診すべき「危険なサイン」|セルフチェック
足のしびれの多くは緊急性の高いものではありませんが、以下のようなサインがある場合は、様子を見ずに医療機関を受診するか、救急要請を検討してください。
- 突然、片側の手足に力が入らない・顔がゆがむ・ろれつが回らない(脳卒中の可能性)
- 両足のしびれとともに、尿や便のコントロールが難しい(残尿感・失禁など。馬尾症候群の可能性)
- 足の感覚が急激になくなった、力が入らず立てない・歩けない
- しびれのある足が急に蒼白になり冷たくなった、脈が触れにくい
厚生労働省は、突然の片側麻痺やろれつが回らないといった症状がある場合には、迷わず119番するよう呼びかけています。脳卒中は治療開始までの時間が予後を左右するため、様子を見ずにすぐ救急要請してください。
足のしびれは何科を受診すればよい?
腰の痛みや歩きにくさを伴う場合は「整形外科」、生活習慣病の持病がある場合や両足が均等にしびれる場合は「内科」、突然の麻痺やろれつが回らないといった症状がある場合は「脳神経外科」または救急外来が目安です。どこに相談すればよいか判断がつかない場合は、まずかかりつけの内科で全身状態を確認してもらうのも一つの方法です。
当院では、問診と診察で原因の見当をつけ、糖尿病・動脈硬化などの内科的な原因が疑われる場合は当院で検査・治療を行い、腰椎由来の原因や専門的な画像検査・手術が必要な場合は連携する整形外科・脳神経外科・血管外科などへご紹介しています。
日常生活でできる対策
- 長時間同じ姿勢を避ける:座りっぱなし・立ちっぱなしは神経や血流の圧迫につながります。30分に一度は姿勢を変えましょう
- 冷え対策:足の冷えは血流悪化やしびれの悪化因子になります。靴下や足浴で足元を温めましょう
- ビタミンB12の摂取:末梢神経の働きに関わる栄養素で、不足するとしびれの一因になることがあります
- 生活習慣病のコントロール:糖尿病・高血圧・脂質異常症をお持ちの方は、血糖・血圧・脂質の管理がしびれの予防・進行抑制につながります
- 脊柱管狭窄症による症状には前かがみ姿勢を活用:杖やシルバーカーなど前かがみになれる歩行補助具を使うと、歩ける距離が延びることがあります
マッサージについては、筋肉のコリが原因(坐骨神経痛など)であれば有効なこともありますが、ヘルニアなどで炎症が起きている場合、強く揉むと悪化することがあります。まずは「優しくさする」程度に留めましょう。
糖尿病神経障害があると足の感覚が鈍くなり、傷ややけどに気づかず放置してしまうことがあり、進行すると潰瘍や壊疽につながることがあります。毎日、足の裏や指の間まで見て・触って観察し、傷や水ぶくれ、変色に気づいたら早めにご相談ください。
当院での対応
薬師堂かたおかクリニックでは、問診・診察に加え、必要に応じて血液検査(血糖値など)で糖尿病神経障害の可能性を確認したり、動脈硬化が疑われる場合はABI検査(足関節上腕血圧比)などをご案内したりしています。腰椎由来の原因が疑われる場合や、専門的な画像検査・手術が必要と判断した場合は、連携する整形外科・脳神経外科・血管外科へ速やかにご紹介します。
「年のせいだろう」と自己判断せず、しびれが続く・繰り返す場合は、まず当院にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
しびれがある時は、マッサージをしてもいいですか?
足のしびれは何科を受診すればいいですか?
湿布を貼れば治りますか?
足のしびれのセルフチェック方法はありますか?危険なサインを教えてください。
足のしびれは何歳くらいから注意が必要ですか?
足のしびれの検査では何をしますか?
足のしびれを放置するとどうなりますか?
- 公益社団法人 日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア」(症状・病気をしらべる)
- 公益社団法人 日本整形外科学会「腰部脊柱管狭窄症」(症状・病気をしらべる)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病神経障害」
- 国立循環器病研究センター「閉塞性動脈硬化症」
- 糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)「フットケア」
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
※本記事は、上記資料を参考に医師が内容を精査し作成しています。
月〜土診療 / 京都府長岡京市今里西ノ口7-1





