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腹痛(お腹が痛い)

腹痛(お腹が痛い)

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この記事の監修医

薬師堂かたおかクリニック 院長 片岡 尚之(かたおか たかゆき)

平成27年 大阪医科薬科大学卒業/同大学病院 初期研修修了/同大学 呼吸器外科 後期研修修了/市立ひらかた病院 呼吸器外科 医長・救急科 医長

消化器の専門医ではありませんが、救急科医長として、虫垂炎や胆石症、尿路結石など急な腹痛を訴える患者様の初期対応・緊急度判断(トリアージ)に数多く携わってきました。かかりつけ医として問診・触診・血液検査・腹部エコーなどによる初期評価を行い、精密検査や専門的な治療が必要と判断した場合は、連携する消化器内科・外科・泌尿器科などへおつなぎしています。

最終更新日:

腹痛は、ほとんどの方が一度は経験する非常に身近な症状です。多くは食べ過ぎやストレスなど一過性の胃腸の不調によるものですが、日本臨床外科学会の解説によれば、初診の時点で診断がつくのは約7割にとどまり、残りの約3割は原因がはっきりしない「非特異的腹痛」とされるほど、実は原因の見極めが難しい症状でもあります。

中には、虫垂炎(盲腸)や胆石症、尿路結石、腸閉塞、消化管穿孔など、早急な対応が必要な病気が隠れていることもあります。長岡京市の薬師堂かたおかクリニックでは、かかりつけの内科として腹痛に伴う発熱や血液検査値など全身状態のチェックに対応しており、専門的な検査や治療が必要と判断した場合は連携する消化器内科・外科・泌尿器科などへご案内していますので、判断に迷ったときはご活用ください。

腹痛の原因は大きく2つ|緊急性の高い「特異的腹痛」と原因不明の「非特異的腹痛」

お腹には胃や腸だけでなく、肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓、さらに腎臓・尿管・膀胱などの泌尿器まで多くの臓器が集まっており、そのどれもが腹痛の原因になり得ます。原因がはっきりと確認できる「特異的腹痛」には、腸管感染症や急性虫垂炎、腸閉塞、胆石症のように比較的よくみられるものから、心筋梗塞・腹部大動脈瘤破裂・上腸間膜動脈閉塞症のように、手術や処置を急がなければ命に関わる重篤な病気まで含まれます。

一方で、検査をしても明確な原因が見つからない「非特異的腹痛」も約3割を占めるとされ、この場合はストレスや胃腸の機能的な不調が関係していることが多いと考えられています。件数としては軽症のものが多数派ですが、緊急性の高いケースが紛れていることもあるため、痛みの性質や随伴症状から見極めることが重要です。

すぐに医療機関を受診すべき「危険なサイン」|セルフチェック

腹痛の多くは心配のいらないものですが、以下のような症状を伴う場合は、単なる胃腸の不調ではなく緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。

① 突然の激痛・板のように硬いお腹

経験したことのない急激な痛みや、お腹に軽く触れる・少し動くだけでも激痛が響くほど硬くなっている(筋性防御)場合は、消化管穿孔や腹膜炎など、手術が必要になることもある重篤な状態のサインです。

② 血便・吐血、冷や汗・意識の混濁

便に鮮血が混じる、コーヒー残渣のような吐血がある、強い痛みとともに顔色が悪く意識が遠のく、といった症状は、消化管出血や重度の炎症・ショック状態を疑う手がかりになります。

③ 高熱を伴う腹痛

38.5℃以上の発熱を伴う腹痛は、虫垂炎や胆嚢炎、腎盂腎炎など感染・炎症が進行しているサインである可能性があります。

④ 妊娠の可能性がある方の下腹部の激痛

生理不順がある、妊娠の可能性があるといった方で下腹部に突然の激痛が起こり、冷や汗や意識が遠のく感じを伴う場合は、子宮外妊娠(卵管破裂)など、お腹の中で大量出血が起きている緊急事態の可能性があります。また、卵巣がねじれる「卵巣茎捻転」も片側の下腹部に激しい痛みを起こし、緊急の手術が必要になることがあります。これらが疑われる場合は、様子を見ずに婦人科または救急外来を速やかに受診してください。

  • 経験したことのない急激な激痛が突然始まった
  • お腹が板のように硬く、少し触れる・動くだけでも激痛が響く
  • 便に鮮血が混じる、またはコーヒー残渣のようなものを吐いた
  • 強い痛みとともに顔色が悪く、冷や汗や意識が遠のく感じがある
  • 38.5℃以上の発熱を伴う
  • 便やガスが全く出ない、繰り返し嘔吐する(腸閉塞の可能性)
  • 妊娠の可能性がある方で、下腹部の激痛や出血、ショック症状を伴う(子宮外妊娠などの可能性)

腹痛は何科を受診すればよい?

原因が分からない腹痛や発熱・嘔吐を伴う場合は「消化器内科」または「内科」、右下腹部の激しい痛みで虫垂炎(盲腸)が疑われる場合は「外科」、じっとしていられない波のような痛みや血尿を伴う場合は「泌尿器科」、下腹部の痛みで婦人科疾患が疑われる場合は「婦人科」が基本になります。判断に迷う場合は、まず身近な「かかりつけの内科」で全身状態を確認してもらうのも一つの方法です。当院(薬師堂かたおかクリニック)でも内科診療の一環として腹痛のご相談を承っており、専門的な検査・治療が必要と判断した場合は連携する医療機関をご紹介しています。

上記のサインに当てはまる方、腹痛が続く・繰り返す方はご相談ください WEB予約はこちら 📞 電話で予約

痛む場所から考える主な原因

お腹を9つの区域に分けると、痛む場所からある程度、原因となる臓器の見当をつけることができます。ただし、痛みの部位と原因臓器は必ずしも一致しないこともあるため、あくまで目安としてご参照ください。

お腹を9つの区域に分けた腹部9分割図
痛む場所考えられる主な原因
①右上腹部胆石症、胆嚢炎、肝炎
②上腹部(中央・みぞおち)胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、初期の虫垂炎
③左上腹部胃炎、膵炎、脾梗塞
④右側腹部尿路結石、腸炎、腎盂腎炎
⑤臍周囲腸閉塞、初期の虫垂炎、腹部大動脈瘤
⑥左側腹部尿路結石、虚血性大腸炎、腎盂腎炎
⑦右下腹部虫垂炎(盲腸)、憩室炎、婦人科疾患
⑧下腹部(中央)膀胱炎、子宮・卵巣疾患、前立腺炎
⑨左下腹部便秘、憩室炎、婦人科疾患、潰瘍性大腸炎

急な右下腹部の痛みは虫垂炎(盲腸)のサイン?

虫垂炎の初期には、みぞおちやおへそ周りに痛みが出て、時間の経過とともに右下腹部へ痛みが移動していくのが特徴です。「痛み」が先に始まり、その後「吐き気・嘔吐」が続くという順番が典型的とされています。歩くとお腹に響く、右下腹部を押して離すと響くように痛む、といった症状がある場合は、様子を見ずに早めに受診してください。

みぞおちの痛みが心筋梗塞のサインのこともあります

特にご高齢の方や糖尿病のある方では、心臓の痛みが典型的な胸の痛みではなく、みぞおち(心窩部)の痛みとして現れることがあります。冷や汗を伴う、締め付けられるような胸の圧迫感がある、といった症状を伴う場合は、心筋梗塞の可能性も念頭に置き、様子を見ずに救急要請(119番)を検討してください。

「痛みの種類」から考える主な原因

痛みの性質(キリキリ、差し込むような、張るようななど)によっても、ある程度原因の見当をつけることができます。

キリキリ痛む(鈍痛)

胃炎や胃潰瘍、ストレスが原因のことが多く、胃酸が胃や十二指腸の粘膜を刺激しているサインと考えられます。空腹時や食後に悪化する場合は、胃・十二指腸の病気を疑います。

差し込むような痛み(疝痛・仙痛)

尿路結石や胆石、腸閉塞などで起こりやすく、痛みには波があり、激痛がくるタイミングと和らぐタイミングを繰り返すのが特徴です。日本胆道学会の解説では、胆石症は「主に右上の腹部を中心とした強い痛み発作」が食後に起きやすいとされています。尿路結石も、結石が尿管に詰まって腎盂の内圧が急激に高まることで、じっとしていられないほどの激しい痛みが波のように襲うのが特徴です。

お腹が張るような痛み(膨満感)

便秘や空気嚥下症、腸内ガスの停滞が主な原因で、お腹がパンパンに張り、ガスや便が出ると楽になるのが特徴です。慢性的に続く場合は、過敏性腸症候群などが背景にあることもあります。

日常生活でよくある腹痛の原因|感染性胃腸炎・過敏性腸症候群など

危険なサインがない腹痛の多くは、以下のような日常的な原因によるものです。

感染性胃腸炎

下痢・嘔吐・微熱を伴う場合は、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の可能性があります。周囲に同じ症状の方がいないか、飲食物に心当たりがないかも受診の際の参考になります。脱水を防ぐため、経口補水液など水分・電解質の補給を心がけましょう。

過敏性腸症候群(IBS)

検査をしても腸に異常が見つからないにもかかわらず、緊張やストレスをきっかけに腹痛や便通異常(下痢・便秘、またはその繰り返し)が続く場合、過敏性腸症候群が考えられます。日本消化器病学会のガイドラインでも、ストレスや腸内環境がIBSの病態に関わることが示されています。生活習慣の見直しや薬物療法で症状が改善するケースも多いため、慢性的に繰り返す場合はご相談ください。

食べ過ぎ・飲み過ぎ

一時的な胃腸への負荷によるもので、消化の良い食事を心がけ、胃腸を休めることで自然に改善することがほとんどです。

よくある質問(FAQ)

市販の痛み止めを飲んでもいいですか?
原因が特定できるまでは、自己判断での服用は避けてください。痛み止めが症状を隠してしまい、虫垂炎や腸閉塞などの重大な病気の発見が遅れるリスクがあります。まずは医療機関で原因を確認することをおすすめします。
腹痛があるとき、食事はどうすればいいですか?
胃腸を休めるのが基本です。食欲がない場合は無理に食べず、経口補水液や常温の水を少量ずつこまめに摂取してください。症状が落ち着いてきたら、おかゆやうどんなど消化の良いものから少しずつ再開しましょう。市販の整腸剤や胃薬は比較的使用しやすいお薬ですが、症状が続く場合や強い痛みを伴う場合は自己判断で使い続けず、早めにご相談ください。
吐き気や下痢もあります。受診してもいいですか?
はい、もちろんです。感染性胃腸炎(ノロウイルスなど)の可能性もあります。周囲への感染を防ぐためにも、来院前に一度お電話をいただけますとスムーズです。
腹痛は何科を受診すればいいですか?
腹痛の原因によって適した診療科は異なります。原因がはっきりしない腹痛や、発熱・嘔吐を伴う場合は「消化器内科」または「内科」、右下腹部の強い痛みで虫垂炎(盲腸)が疑われる場合は「外科」、波のような激しい痛みや血尿を伴う場合は「泌尿器科」、下腹部の痛みで婦人科疾患が疑われる場合は「婦人科」が目安です。どこを受診すればよいか迷う場合は、まずかかりつけの内科で全身状態を確認してもらうという方法もあります。当院でも腹痛のご相談を承っており、専門的な検査・治療が必要な場合は連携する医療機関をご紹介します。
右下腹部が急に痛みます。虫垂炎(盲腸)のセルフチェック方法はありますか?
虫垂炎の初期には、みぞおちやおへそ周りに痛みが出て、時間の経過とともに右下腹部に痛みが移動していくのが特徴です。右下腹部を手で押して離したときに響くように痛む、歩くとお腹に響く、発熱を伴う、といった場合は虫垂炎の可能性が高まります。ただしセルフチェックだけで確実に診断することはできないため、これらの症状がある場合は自己判断せず、早めに医療機関(外科・消化器内科・救急科など)を受診してください。
何日くらい様子を見てもいいですか?何日も続く腹痛は注意が必要ですか?
数日様子を見ても改善しない、あるいは徐々に悪化する腹痛は要注意です。特に、発熱・血便・体重減少を伴う場合や、1週間以上にわたって症状が続く・繰り返す場合は、憩室炎や炎症性腸疾患など、より詳しい検査が必要な病気が隠れている可能性があります。「様子を見ていいのか分からない」という場合こそ、早めにご相談ください。
夜間や休日に激しい腹痛が起きたときはどうすればいいですか?
上記の「危険なサイン」に当てはまる症状がある場合は、様子を見ずに救急外来を受診するか、救急車(119番)を要請してください。緊急性の判断に迷う場合は、看護師に24時間365日電話で相談できる「救急安心センターきょうと(#7119)」をご活用いただけます(京都府全域対応、長岡京市も対象)。当院の診療時間外のご相談には対応いたしかねますので、上記の窓口をご利用ください。
生理が遅れていて下腹部が痛みます。婦人科と内科どちらを受診すればいいですか?
生理不順や妊娠の可能性がある方の下腹部の激痛は、子宮外妊娠など緊急性の高い病気が隠れていることがあるため、可能であれば婦人科(産婦人科)の受診をおすすめします。夜間や休日で婦人科の受診が難しい場合は、救急外来やかかりつけの内科でも初期対応は可能ですので、様子を見ずにご相談ください。

腹痛が続く・繰り返す方はご相談ください

「様子を見ていいものか、すぐに受診すべきか分からない」という方も、まずはお気軽にお電話ください

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