動悸(心臓がバクバク・ドキドキする)の原因と対処法
「ふとした瞬間に心臓がドキドキする」「胸が波打つような違和感がある」……。 こうした動悸(どうき)は、誰しも一度は経験したことがあるはずです。多くの場合、緊張や運動による一時的なものですが、中には心臓や甲状腺の病気が隠れているサインである可能性も否定できません。
動悸の主な原因と疾患の特徴
動悸の原因は多岐にわたります。大きく分けると「心臓そのものの問題」「心臓以外の全身疾患」「精神的要因」の3つに分類されます。
| 分類 | 代表的な疾患・原因 | 特徴的な症状 |
| 心臓の疾患 | 不整脈(心房細動など) | リズムがバラバラになる、一瞬ドキンとする。 |
| 心不全・弁膜症 | 階段で息が切れる、足がむくむ。 | |
| 全身の疾患 | 甲状腺機能亢進症 | 手が震える、食べているのに痩せる、汗かき。 |
| 貧血 | 顔色が悪い、立ちくらみがする。 | |
| 低血糖・脱水 | 冷や汗、ふらつきを伴う。 | |
| 精神・薬剤 | パニック障害・自律神経失調症 | 強い不安感、過呼吸、喉のつかえ感。 |
| カフェイン・薬の副作用 | コーヒーの飲み過ぎ、気管支拡張薬の使用など。 |
医師の視点:肺の病気が隠れていることも
呼吸器医の視点からお伝えすると、肺気胸(肺に穴が開く病気)や肺塞栓症(肺の血管に血栓が詰まる病気)でも、酸素不足を補おうとして心拍が上がり、強い動悸を感じることがあります。「胸が痛い」「息苦しい」を伴う場合は、肺の精査も必要です。
すぐに受診が必要な「危険なサイン」
以下の症状が動悸と一緒に現れた場合は、重大な病気が隠れている可能性があります。迷わず早急に医療機関(夜間・休日の場合は救急外来)を受診してください。
- 意識が遠のく、失神しそうになる
- 締め付けられるような強い胸の痛みがある
- 冷や汗を伴う激しい動悸
- 突然始まり、1分間に120〜150回以上の速い鼓動が続く
- 激しい息切れがあり、横になると余計に苦しい
受診時に伝えてほしいこと
動悸は診察室にいる時には治まってしまっていることが多く、医師へ「どのような動悸か」を正確に伝えることが診断への近道です。受診前に以下のポイントをメモしておくとスムーズです。
- どのようなリズムか? (規則正しく速い、バラバラに打つ、一瞬だけ飛ぶ、など)
- いつ、どのような時に起こるか? (安静時、運動時、寝る前、食後、仕事中など)
- 持続時間はどのくらいか? (数秒、数分、数時間、ずっと続いているなど)
- きっかけはあるか? (コーヒー、お酒、ストレス、特定の薬など)
当院での検査について
まずは心電図検査を行いますが、短時間の検査では異常が出ないこともあります。その場合は、24時間の心電図を記録するホルター心電図や、心臓の動きを直接見る心エコー(超音波)検査を行い、隠れた原因を特定します。
よくある質問(FAQ)
Q. 疲れやストレスでも動悸はしますか?
A. はい、非常に多い原因の一つです。過度なストレスや睡眠不足は自律神経を乱し、心臓を動かす電気信号に影響を与えます。ただし、「ストレスのせい」と決めつける前に、まずは重大な病気がないことを検査で確認することが大切です。
Q. 更年期障害で動悸が起こることはありますか?
A. あります。女性ホルモンの減少により自律神経が不安定になり、急な動悸やホットフラッシュ(のぼせ)が生じやすくなります。内科的疾患を除外した上で、婦人科的なアプローチが必要な場合もあります。
Q. 動悸が起きたとき、自分でできる対処法はありますか?
A. まずは衣服を緩め、座るか横になって安静にしてください。深呼吸(ゆっくり吐くことを意識する)を繰り返すことで自律神経が落ち着く場合があります。もし数分休んでも治まらない、あるいは悪化する場合は無理をせず医療機関へ連絡してください。





